ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

短編 r+ ほんとにあった怖い話

一度でも水を張ったなら rw+6.504

更新日:

Sponsord Link

庭に水を溜めたのが、いけなかったのだと、あとになって言う人もいる。

近所に、小さな池を作った家があった。
もともとはただの庭だった。けれどその家の主人が、日曜大工で穴を掘り、防水シートを敷き、水を張った。鯉を入れるほどの大きさではない。ただ、雨が降れば水が溜まり、晴れが続いても完全には干上がらない、そんな浅い池だった。

最初のうちは、子どもが網を持って覗き込み、奥さんが睡蓮を浮かべていた。近所の者も「涼しげでいいね」と笑っていた。

水が張られてから、どれくらい経った頃だったかは、はっきりしない。
ある日、主人は突然、その池を埋めると言い出した。

理由は聞いていない。
飽きたのか、邪魔になったのか、それとも何かあったのか。
とにかく、水を抜き、底に溜まった泥をそのままにして、土をかぶせた。石も、防水シートも、何もかも一緒に。

誰かが「ちゃんと祓ってからにしたほうがいい」と言ったらしい。
井戸や池を埋めるときは、ひとこと礼を言ってからにしろ、と。

主人は笑っていたという。
「自分で作ったものを、自分で潰して何が悪い」

それで終わった。

埋めたあとは、しばらく何も起きなかった。
半年ほどは、何事もなく過ぎた。

最初に亡くなったのは、子どもだったと聞いた。
事故だったのか、病気だったのか、私は知らない。
次に奥さんが倒れ、入院し、そのまま戻らなかった。
最後に主人が亡くなった。
順番は逆だったかもしれないが、三人とも、二年も経たないうちにいなくなったのは確かだ。

偶然だと言う人もいる。
不幸が重なっただけだと。

ただ、気になることが一つある。

あの池は、立派なものではなかった。
職人が造ったわけでもない。
ただ、素人が掘って、水を溜めただけの穴だった。

それでも、何度も雨を受け、何度も水が満ち、底が乾ききることはなかった。

水がとどまる場所には、何かが降りてくる。
そう言う人もいる。

降りてきたものが、そこに居続けるつもりだったのか。
それとも、ただ通り過ぎただけだったのか。
それはわからない。

わからないが、ひとつだけ確かなのは、
その家の庭には、いまも少しだけ地面が柔らかい部分があるということだ。

雨が続くと、そこだけ色が変わる。
土が沈むわけでもない。
水が溜まるわけでもない。

ただ、踏むと、かすかに沈む。

近所の子どもは、そこを避けて歩く。
理由は聞いていない。
誰も、はっきりとは言わない。

けれど、あの場所に、もう一度水を溜めてはいけない気がするのだ。

なぜかは、誰も説明できない。

[出典:810 :おさかなくわえた名無しさん:2011/09/19(月) 20:55:11.73 ID:UGCnAXlC0]

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, r+, ほんとにあった怖い話
-

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2026 All Rights Reserved.