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短編 怪談

僧侶

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今じゃ霊感ゼロの俺だけど、小学校四年生の頃だけ立て続けに霊体験をして参ってた。

645 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/07/14 08:22

林業を営んでた叔父は、仲間が切った大木が顔に直撃して亡くなったんだが、俺はその瞬間を前日に夢で見てた。

その情景やら大騒ぎする仲間やら、叔父の血だらけの顔がみるみる膨張していく様子やら、救急車に担ぎ込まれる様子やら。

第三者の視点で、まるで空中に目があるように見ていた俺は、ショックと恐怖で泣き叫びながら目が覚めた。

夢かと思って安心したものの、夢では終わらなかった。

この体験を皮切りに、不思議な体験が立て続けに起こるんだけど、物理的に外傷をくわえられた話を。

初めて人の死に遭遇して、しかもそれを予知夢で見、親に話しても変な漫画を読むのは禁止だとか言って、信じてもらえず参ってた。

あれから多分一ヶ月もしてなかったと思うけど、その間に首吊り自殺の遺体を予知夢で見た場所で発見したり、
夜中に自分のおでこに冷たい手首が乗ってたりと、変な体験をしてた。

布団で寝ていると夜中に「ドーーーン!・・・シャリーーン」の音とともに、腹に激痛を感じて飛び起きた。

上半身だけ起こしたものの、激痛に耐え切れずに「うがーっ」と叫んで、両手で腹を押さえて再び寝転がった。

何が腹に直撃したんだろうと思って辺りを見回してると、頭上に草履を履いた足が見えた。

こちらに向かって歩いてくる。

そしてそのまま顔を踏みつけられたかと思うと、「ドーーーン」と俺の腹を杖で突いてきた。

杖のてっぺんには金色の輪が何個か付いてて、「シャリーン」と鳴った。

再び激痛が走るので手で押さえようとしても体が動かない。

通り過ぎていった足の主を見ようと、視線を俺の足下にやった。

その姿は僧侶で、笠をかぶり黒い袈裟を着てた。

それを確認すると同時に驚いたのは、俺の足下に見たこともない田園風景が広がってたこと。

そして俺はあぜ道に布団を敷いたまま寝てる状態。

足下には通り過ぎて行った僧侶の列が見え、そのずっと先には新幹線の高架か、高速道路が見えた。

頭上を見ると俺の部屋。

足下をみると田園風景。

もう何が何やらわけがわからずに腹の痛みを我慢してると、頭上から「ドーン・・シャリーン」の音が聞こえてきた。

まだ列が続いてるようだ・・。

俺はこの不可解な現象に対する恐怖よりも、「もうこれ以上痛みに耐えられねぇ」という恐怖のほうが大きく、「うわーーー!!」と泣き叫んだのが記憶の最後。

朝、目が覚めるとやはり腹に激痛が。

パジャマをまくって見ると、腹にピンポン玉くらいのアザがいくつも付いてた。

何故か激しく目が回るのと腹の痛みとで、這って下の階に行って親に見せたんだけど、母親の声が物凄く早まわしで全く聞き取れなかった。

テープを早送りしてるような感じだった。

そんな状態なので学校を休み、フラフラと病院に連れて行かれ、検査の結果アバラにヒビが。

医師の質問も、母親の話も「キュルキュルキュル・・・」って感じで全く聞き取れずにずっと黙ってたけど、母親は風呂の蛇口で打ったとかなんとか説明したそうだ。

声が早回しで聞こえない現象は夜には良くなったけど、もうわけがわからず、恐怖とストレスでずっと一人で眠れない状態が続いた。

その体験を最後に、二度と不思議な体験をすることはなかった。

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