短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

変な伝承で困り果ててる【ゆっくり朗読】

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小さい頃に魚が嫌いだったことがきっかけで俺は祀られてる。

925 :本当にあった怖い名無し:2018/08/17(金) 04:24:32.99 ID:DslhM8zl0.net

こう書くとほんとおかしな話だ。

祖父の代まで俺の一族は、今はもう廃村となった村に住んでいた。

ちなみに今は俺の一家含め都会人。

その村では、水神信仰があった。俺にはその水神がついてきたってことにされてる。

なんでも、水神はかなり老齢なのに大変やんちゃな迷惑者と思われてたらしい。

ただ一つ弱みがあって、それが大の鱗嫌い。

村の近くを流れる川の縁には昔から不思議と鱗が散乱していたんだとさ。

ある年村の祭祀で、もしやこれはと試しに鱗を全てとった魚を供え、
村の大事な山道の土砂崩れがおきやすいあたりは、鱗を挟んだ石垣を供えた。

すると、これが効果てきめんで、それまでは祟り神のように扱われていた水神はそれ以来守り神となったそうだ。

まぁ、こんな迷信、普通は土地を離れたら消えるよな。

ところが、廃村になって村人が去った後に村の近くに通された国道が、
もっと頑丈なコンクリートとかを使っていても、不思議と土砂崩れの被害が多かった。

都会に移り住んだ元村人達がそれを伝え聞いて、ますます迷信を深めてしまったらしい。

ハタ迷惑なのは、俺もやたらと魚を供えられる。それも川魚。

とくにえらっそうに髭はやしてる鯰とか見るとむしゃくしゃする。

そのちょびひげみたいなのはひっこぬいてやりたいし、見せつけるようにきらきら輝く鱗をとって丸裸にしてやりたい。

海の魚なら我慢もするのに、やれ快晴祈願だ雨乞い祈願だと何かにつけて鮎やら鯉やら届くものだから本当にたまらん。

926 :本当にあった怖い名無し:2018/08/17(金) 04:57:42.44 ID:D776UZrX0.net

快晴祈願はまだしも、雨乞い祈願はなぜ必要?

>>926

村を出た後農家になったっていう人からだったと思う。

この手のお供えと手紙はもううんざりで目を通してないからうろ覚えだけど。

928 :本当にあった怖い名無し:2018/08/17(金) 05:47:00.03 ID:ZiB1/y/JO.net

お供えも手紙も要らないなら受け取り拒否しろ

手紙は赤ペンで受け取り拒否って書いて郵便ポストに入れるだけだ

郵便局員が差出人に返送してくれる

お前が受けとるからお供えや手紙が後を断たない事に気づけよ

>>928
家業を一家でやってるから親と同居でな。親か妹がいそいそ受け取っちまうんだ。

俺が大の川魚嫌いなのわかってるから、三人で優雅な晩酌の肴にしてる。

しばらくはどうせ効かなくてそのうち来なくなるだろと高をくくってたんだが、
長い人はもう十数年にも渡って送ってよこすから、ほんと不気味でな。

グチめいてきたのも申し訳ないんでここまでにしとく。
ありがとうな。

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