短編 心霊

旧館の物置部屋【ゆっくり朗読】700

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私の実家は代々神主の家系という事もあり、本家の屋敷も旧館と新館と分かれており古く広かった。

344 :本当にあった怖い名無し:2022/03/22(火) 00:01:25.19 ID:BIBAvKTa0.net

中でも旧館の二階の大広間はかなり広く、古い本や祭具や家具などが乱雑に置かれ物置のような状態だった。
当時小学生だった私は二つ年下の弟とだだっ広い家だった事もあり、その物置部屋を探検したり宝探しと称しガラクタ漁りなどをして遊んでいました。

ある日のいつも通り弟と宝探しをしていた時、異様な気配を感じ物置の奥の部屋角に目を向けると白い着物を着た女がこちらを凝視しながら何が呟いている。

異様なものを見た筈でしたが何故が恐怖心はあまり感じなく、それよりも先に何故が悲しいと感じその女に声をかけようとしたその時、後ろから思いっきり頭を何かで殴られた。

気がつくと弟が私の体を引っ張って部屋から引き摺り出していました。後から弟に聞いたのですがガラクタ漁りをしている最中、急に部屋の角を凝視し始め「逃るな」とうわごとのように繰り返し呟いて居たらしく弟も不審に思ったのか「兄ちゃん?」と声をかけた瞬間、急に金切声を上げ床に落ちてた雑誌を破り狂ったように口の中に詰め込み始めたそうで、止める為に頭を棚の引き出しで殴ったそうです。

そんな事もあり暫く旧館の二階にはあまり近寄らなかったのだが、私が中学生の時に二階の大掃除をすることになり私もそれを手伝う事になった。そして物置部屋のガラクタを全て処分した際、両親と祖母が何やら浮かない顔をして一つの衣装箱を開けている。

気になってそれは何なのか聞いてみたところ、昔物置部屋では結婚式を行って居たらしくその際に使われた衣装が入っているそうで基本的に花嫁が持ち帰るのだが特殊な理由で結婚式が行われなかった人の衣装は神社側が保管していることがあったらしくその時のものであったそうです。

私もそれを聞き気になり少し見せてもらったのだが、正に小学生の時に見た女が着ていた着物にそっくりでした。詳しく聞いたところ結婚式前に婿がいなくなった方のものらしい。
思い入れのあるものには業が宿ると言いますがかなりこたえた体験でした。

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