短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

測量のバイト【ゆっくり朗読】

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姦姦蛇螺(かんかんだら)のコメントより

おい…おい…この話マジなのか……作り話じゃないのか?

俺の話を聞いてくれ。

俺は37才のおっさんだが、学生の頃測量のバイトをしていた。
山の中に入って色々測るアレだ。

夕方になって今日の仕事も終わりだーってなった頃、その注連縄と箱(石川五右衛門とかが盗みそうなジャパニーズ宝箱って感じ)を見つけたんだ。

社員の奴らは後片付けとかしてたんだけど、俺らバイトは一服でもしてろって言われて、タバコくわえながらその辺をブラブラしてたんだ。

その時、バイト仲間が変な箱があるって言うから行ってみたんだ。

縄で囲ってあるそんなには広くない中に、一本だけ大きな木があった。

その木の根元に何本かの一号徳利と、その箱が祭ってある祭壇(祭壇って言うにはボロかった)のようなものがあった。

近づいてバイト仲間と二人でその箱を開けたんだ。鍵なんて掛かってなかった。

箱の中には、プラモデルのランナー(の様に見えた)で長さは10センチくらいの棒が何本か入ってた。

ブルーのランナーだったけど先端だけオレンジに塗ってあった。

それがこの話みたいに//>>←なんかこんな感じに並んでたんだよ。

なんだコレ?って感じでふたを閉じた。この話みたいに触ったりなんかはしてない。

そんなこんなしてると「おーい!お前ら帰るぞー!」との社員の声が。

俺たちは「ウィース!」なんてその場を後にしたんだ。

「アレなんだったんスかねぇ~?」なんてバイト仲間と話しながら車に戻ってると、背後からザザッって何かを引きずるような音がしたんだ。

振り返って見ると、この話みたいに大きな木の陰から女が覗いてた。女って言うより少女くらいの年に見えた。

俺は戦慄したよ。若い女がこんな時間にこんな山の中で何をやってんだ?

そして何よりも、さっきまで俺たちがあそこにいたのに何できづかなかった?軽いパニックになった。

「オイ……アレ……」バイト仲間が話しかけてきた。

「ああ……女だな……」

俺はもう暗くなってきたし、女一人でこんなところにいる理由もわからないけど、声を掛けることにしたんだ。

「おーい、なにやってるのー?」

俺が近寄っていくと女は薄く微笑んで(とても妖艶な笑顔だった)木の陰に引っ込んだ。

その時、この話みたいにチリ-ンっていう鈴の音と、何かを引きずる音が聞こえた。

俺が大きな木まで行くと、女はもういなかった。俺は立ち尽くしたよ。

バイト仲間も来て二人であたりを探したり、大声で呼んだりしてみたが結局女は現れなかった。

なんだったんだろうと思ったけど、社員に「お前ら何やってんだ!早く帰るぞ!」怒鳴られしぶしぶ帰ったんだ。

次の日って言うかその日の夜中から両手、両腕が腫れ上がって大変だった。(別に痛くはなかった)

次の日の昼くらいにはウソみたいに治ったけど。

バイト仲間に聞いたらおんなじ様な症状が出てたらしい。

そんなこんなで今まで変な話だったなーくらいで忘れてたんだけど、この話を読んでゾッとしたよ……。

姦姦蛇螺の話と違う点

・そんな厳重に禁足地として警戒されてる感じではなかった
・家紋なんて多分なかった
・はっきり見てないけど女の手は片方に三本なんてなかった(もう片方は木の陰で見えなかった)
・この話みたいに女は怖い顔をしてなかった(どちらかというと不思議そうな顔をしてこちらを観察してる感じだった)っていうか可愛い顔をしていたような気がする
・巫女服って言うより女忍者みたいな格好だった気がする
・その筋の人におまじないなんか受けなくても勝手に治ったし、その後も17年間なんの問題もない
・下半身は見えなかった

どうなんだろう、お前ら教えてくれよ!
コレ、作り話なんだよな?!あの棒を触っていたらとおもうと……怖いよ!

あ、別に隠す気もないし今は住んでいないので言いますけど、この事件(?)があった場所は山形県ですよ。朝日連峰ですよ。

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