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封印された御神体 r+4554

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昔、ちょっと怖い体験をしたんだ。

俺の家は神社で、親父は神主。神社には大抵、御神体ってのがあるだろ?祀ってる神様と繋がりのある物だ。例えば、像とか鏡とかさ。地元の神話に出てくる物を祭ってる場合もある。

普段は御神体を見せることはないんだけど、年に数回の大祭の時には祠から出すんだ。うちの神社では、大祭の時に祠の扉を一つ開けるんだ。すると、古びた大祓いの詞の巻物と大きな鏡が出てくる。これは誰でも見れる位置にある。

子供の頃、俺は神社の掃除を手伝ってた。友達はやらなくていいのに、なんで俺だけ?って思ってたけど、あの鏡は触っちゃダメって言われてたんだ。掃除はいつも親父がやってた。

ある時、親父に「あの鏡は何?」って聞いたんだ。親父は神様を表す物だって言ってたけど、よく覚えてない。親父が言うには、うちにも御神体はあるけど、それはあの鏡じゃないらしい。

大祭の時に開ける扉の奥にもう一つ扉があって、その奥に御神体が安置されてるんだって。親父も祖父も見たことがないらしく、「開ければ呪われる」って言われて、代々開けてはならないとされてるらしい。

親父は死ぬ前に見てみたいって笑ってたけど、俺には「絶対に開けるな」とは言わなかった。俺が開けるなんてありえないと思ってたのかも。でも、祖父は親父に強く言わなかったから、親父に危機感がなかったんだと思う。そもそも俺も親父も、呪いも霊も信じてなかったし。

そんな話を聞いて、俺はワクワクしたんだ。開けるなって脅されたけど、言われたらもっと見たくなるのが人の性だろ?それで、親父がいない時を見計らって開けたんだ。

そこまで広くなかったけど、奥にスペースがあって、中くらいの箱が一個あった。開けると、紫色の布にくるまれた何かがあった。迷ったけど、ここまで来たからには…って布を外した。すると、何か干からびた灰みたいなのが入ってたと思うけど、よく覚えてない。

ぞっとしたのは、声が聞こえたこと。喉が枯れたみたいな絶叫の後に、「殺す…返せ…殺す 殺す 殺す…」って、一定の間隔で聞こえ続ける女のような男のような声。俺は恐怖で絶叫したと思うけど、後で聞くと何もなかったらしい。

気がついたら部屋で寝てて、倒れてたらしい。あの場所について聞いても、何もなかったと言われた。扉も開いてなかったし、乱れもなかったらしい。気を失う前に俺が直したのか?…よく分からない。

あれは夢だったんじゃないかってよく思う。でも、声は未だに焼きついてるし、かすかに見たあの布も覚えてる。…やっぱりよくわからない。

それから数年はあそこに近づくのも嫌だったけど、今はもう特に怖くない。しかし今でも、家にあるあれは一体何だったんだろうなって思う。

(了)

[出典:232: 名無しさん@涙目です。(鹿児島県):2011/06/11(土) 06:36:30.20 ID:aSglbCOT0]

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