ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

★多機能留守番電話の悪夢

更新日:

Sponsord Link

時は近未来。

47 :怖いお話ネット:2024/06/16(日) 17:43 ID:8x7jh3d9

科学が発達して人々の暮らしはますます快適に、豊かになった。家庭に必ずある電話も変わった。留守番電話だが、『多機能型臨機応変留守番電話』が主流になった。これは、電話が独自の判断で留守番メッセージを臨機応変に対応する素晴らしいものである。

ある家庭で電話が鳴った。家人は誰も取らない。電話は独自の判断で会話に応じる。
「○○さんのお宅ですか。●●商事ですが、ご主人がお休みのようで…」主人宛ての電話だ。ここは妻の声で対応する。
「連絡が遅れまして申し訳ありません。主人は急に熱を出してしまいました」午後、また電話が鳴る。
「もしもし、奥さまはいらっしゃいますか?」妻宛ての電話だ。電話は考えて、娘の声で出ることにした。
「すいません、お母さん今買い物に行ってるんです」

夕方になり、娘のボーイフレンドからも電話がかかってきた。
「○さん、今日の5時に約束してまだ来ないので心配で…」ボーイフレンドか、ここは父親の声のほうがいいだろう。
「田舎の祖母が急に亡くなりまして、母親と一緒に急遽帰省しましたが…」

その後もこの家の電話はなかなか途絶えることはなかった。電話はいささか疲れてしまった。いつになったらここの家人は帰ってくるのだろう。

昨夜この家に強盗が押し入り、一家を全員惨殺していった地獄絵図があった。電話に出る留守番電話の声を信じて、誰もそのことに気付かない。今日もまた、行方を捜す電話が鳴る。

捜査に入った警察も、初めは何も怪しいことに気づかなかった。

留守番電話が応答する度に、家族が不在だという説明が続く。だが、一人の刑事が異変に気づいた。
「こんなに長時間、家族全員が家を空けるのはおかしい…」その疑念から、捜査が再開された。

家の中を詳しく調べると、地下室からかすかな異臭が漂ってきた。地下室を開けると、そこには無惨な姿の一家全員が…あまりの光景に、捜査員たちは一瞬息を飲んだ。

結局、留守番電話の臨機応変な応答が、事件の発覚を遅らせた。もし、普通の留守番電話であったなら、もっと早くに事件が発覚していたかもしれない。

今でも、その多機能型臨機応変留守番電話は使用されている。だが、一部の人々はその機能に恐れを抱き、普通の留守番電話に戻す人も増えてきたという。

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.