若い男が旅をしていました。
その日は日が暮れるまでに宿のある町まで到着するつもりでしたが、男は道を間違えて淋しい山奥に入りこんでしまいました。
男は仕方なく野宿を覚悟しました。
そんな男の前に農作業の帰りらしい老婆が現れ声をかけてきました。
「良かったらうちへ泊まりませんか?孫娘に食事の用意でもさせますから」
疲れきってた男は孫娘という言葉に少し惹かれた事もあり、老婆の家に泊めてもらうことにしたのです。
年頃の孫娘は清楚な雰囲気のかなりの美人でした。
食事のあと、寝室に戻ろうとする男に娘はそっと手紙を手渡しました。
その手紙には
『十一時になったら離れの納屋に一人で来てください』
と書いてあります。
約束の時間になると男は期待に胸膨らませ、いそいそと納屋を訪れました。
納屋には強い香が炊いてあるらしく、甘い香りがいっぱい立ちこめています。
「恥ずかしいから灯りはつけないでくださいね」
男は真っ暗な中手探りで声だけを頼りに彼女の元へ近づきました。
彼女の身体に触れてみるとは既に全身何も身につけてない様子でした。
予想外の彼女の積極的な誘いに男は歓喜し早速事に及びだしました。
夕飯時に見たあの清楚な雰囲気とは裏腹に、驚くほど感度が良くその肌は全身ねっとりと濡れていました。
顔の表情は見えなくとも彼女の反応にすっかり満足した男は何度も何度も娘を抱いたのでした。
「おばあさんに叱られるから、もう部屋に戻って……」
娘にそう言われて男は日が昇る前に納屋を出ました。
日が昇ると男は老婆に礼を言いその家を後にしました。
すると向こうから歩いてきた農夫が
「あなた、ここの人じゃないね。どこかに泊まりなすった?」
と尋ねてきました。
昨夜老婆と孫娘の家に泊まった事を話すと、農夫は言いました。
「ああ、あの家か……可哀想にあそこには孫娘が二人居るのだが、姉の方は皮膚が爛れる病気になってしまって、ここ数年は家にこもりっきりだ。なんでも全身、頭から足の先までドロドロに化膿してるらしい」
と言い残し去って行きました。
(了)