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短編 山にまつわる怖い話

ユウダチ

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小学生の時の話。俺の母方の実家も山の中。半端じゃなく山だった。

今では婆さまが亡くなって、爺さまはお袋の姉の家に移っちゃったし、もう行く事もないと思うけど。

夏休み、親子連れだって田舎に遊びに行った時、ちょっと怖い体験をした事が何度かある。

真夏の炎天下、虫取り網を片手に、近くの林に虫を取りに行くため畦道を歩いていた。

ふと田んぼを見ると、なんかモヤモヤとした陽炎の中に、白い物体が漂っている。

何だろう?と、ぼんやり見つめていると、全身の力が抜けて、頭がぼんやりして来た。

一度、熱射病になった事があるけど、あの時とは全然感覚が違ってた。頭から血の気が失せていく感じ。

その時、軽トラで通りがかった近所のオッサンが、俺の異変に気づいてくれたのか走り寄ってきて、俺を抱き上げると、田んぼの中に立たされた。

しばらくすると、頭のぼんやりが消えていき、目の前にかかっていた白いモヤのような物が晴れていくのを感じた。

見ると、さっきまで白い物が漂っていた場所には何もなくなっていた。

「あぶねぇ、ユウダチは見ちゃならねぇ」と、頭をゴツンとやられた。

その後、軽トラで家まで送ってもらい、その事を婆さまに話すと、婆さまはオハギを作り始めた。

3つ作ったオハギの1つは俺に、1つは近所のオッサンに、最後の1つは田んぼに放り込んだ。

で、最後に頭をゴツンとやられた。

農作業から帰って来た爺さまにも、その事を話すと頭をゴツンとやられた。

あの白い物体は謎だけど、1日になぜ俺が3回も頭をゴツンとやられないといけないのか、その方が謎だった。

79 :2004/05/16 11:58 ID:VBVvCAky

(了)

 

 

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