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中編 心霊

先生とマレーシアに行った2:妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?(7)【ゆっくり朗読】

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その呪いってのは誰がやったのかはわからないし

331 :1 ◆cvtbcmEgcY :2013/09/26(木) 23:32:28.49 ID:eukASd4w0

くわしい方法も少なくても俺は知らない。降頭術使いじゃないし。

とりあえず、死んだ日本軍の死体を断龍杭のまわりにうめる、そんで何かしらの方法で、その死体が生きていると、日本軍の兵士魂とその三尸の虫に勘違いさせる。

魂は体が死んでいないと勘違いするから、死体から完全に離れない。三尸の虫は、死体に入って、「あ、これやっぱ死体だ」と思って、這い出てきて、死んだ龍脈に寄生する。そして、龍脈に寄生した三尸の虫が増えすぎて、臨界値になると、また龍脈から這い出る。でも、そこで、三尸の虫を食い止める陣みたいなのをしく。

その結果三尸の虫はどうするかというと、日本軍さんたちの死体の中の魂は日本を思う気持ちというか、そういうのでいっぱいで、人の思いは、道を作る力がある。
三尸の虫はそのおもいで出来る道のみを頼りに、日本にやってきて、日本の新しい子供たちに寄生する。

わかりにくかったらすまんが、多分大体こんな感じ。

そんで降頭術ってのは大体こんな感じで、だれかの体の一部とか、思い入れのすごいものとか、そういうのを利用して、三尸の虫で、人を潰す。

蠱とにているけど一番の違いはここかな?でも誰が術をしているかがばれると被害者は、術をかけた人を怨むよね?その恨みによって、被害者と術者の間に思いの架け橋ができて、被害者が死んだら、術者も次に死ぬ。

だから降頭術のタブーは、自分がやったと決してばれては、いけない。

そして、色々話がそれたけど。俺は目的がわかったし、祝死ならしかたないか、とおもって、後ろから引っ張られるのを無視して、ワン君についていくことにした。

祝死の儀式には、一時的に三尸の虫を鎮める方法があって、その鎮めている間に、昔の薩満たちはそれらを取り出していたわけなんだけど。

いまだと、薩満の大体の文化は失われて、一部しか現存していない。その一部と他の左道の文化と結びあわせられ、生まれたのが金牌術だ。

ちなみに左道ってのは「道」をあまり考えず、ひたすら「術」を極めんとする人に対する軽蔑用語かな。

薩満のそういう部分のものを応用して、現代では三尸の虫だらけの龍脈を安定させてたりするんだ。

俺はその時、それについてのくわしいやりかたとかはしらなかったんだけど。
その存在自体は知っていた。

ワン君が俺を必要とすると判断したんだから、彼にしたがうしかなかった。

道、法、術、器があったとして、方法、行くまでの術、そこにたどり着く器があるとすると一番大切なのは道(到達点)と仮定して「人の思いは、道を作る力がある。」とすると、帰結を何処に持っていけば……10人10色だと解釈自体が成り立たない訳で。

金牌術というのは具体的にどういうものかというと

「法」の範囲に属すもので、代々「金牌」というものを受け継いでいる。
継承者というか、そういう人は、いろんな所を旅して、なるべく多くの友人をつくり、多くの妖怪とかそういうものと触れるようにする。その分『業』を背負う可能性があるんだけどね。

そして、最終的になると、たとえば、妖怪にちょっかいだされたら、
「ほら、この金牌がみえないか。俺は何々の弟子の弟子の弟子の…だ!
友達たくさんいるんだぞ!俺をやったらやばいんだぞ!」
とか、

困った時は、「ほら、この金牌がみえないか。俺は何々の弟子の弟子の弟子の…だ!
友達たくさんいるんだぞ!俺に恩を売るのは悪くないぞ!」
みたいに金牌が伝わった代とかが多ければ多いほど、虎の威を借りるキツネ的に、どんどんとそのコネ的な力を強める。すごいところだと、神さまでさえ命令できたりする。

階段をおりきると、真っ暗な、少し開けた空間についた

そして、さっきまでは全く気がつかなかったのだが、そこらあたりからものすごい腐った肉のようなにおいがしていた。

俺はまっくらだから、明かりつけなくていいのか?とワン君に聞いたけど、ワン君は付けないほうがいいといった。

そんで、ワン君は手術で取り出した内臓をもって、暗闇の中に進んでいった。
俺はその場に立ったままでいいと、指示をされた。
真っ暗だったから、すぐにワン君の姿は見えないようになった。真っ暗の中一人ポツンと置いてかれたから、すこしこわかった。

しばらくすると、奥のほうでたんたんたん、とリズミカルに手を打つ声が聞こえてきた。そして、ワン君が大声で「ソンセンラァーー」云々と叫び始めた。

中国語くさかったから、意味はよくわからなかった。
こういうのってパクれるところはパクリたかったんだけど、中国語の知識はなかったから。少し残念だった。

しばらくその声を聞いていると、空間の奥のほうで足を引きづるような音が聞こえてきた。しかも、すごくゆっくりだけどなにやら、俺のいる方向にやってきているようだ。

すーっと寒気がしたんだけど、大丈夫だと自分に言い聞かせて、何か使えるものがないか、念のために考えた。

何も準備してなかったから、専用のものはなかったんだけど。
ポケットにあらかじめ忍ばせておいた●ンドームがあった。

俺は急いで両手に唾を吐きつけて、●ンドームを取り出した。
そしてその中に髪の毛を一本だけ入れて、特に尿意はなかったんだけど。
その中におしっこをした。

そんで、それの口を結んでおいた。すこし手におしっこがついて嫌な感じだった。

俺子供の頃、犬と猫を虐めて死なせちゃった事があるんだけど、何か影響受けたりすんのかな?30年は経つけど、思い出す度に申し訳ない気持ちになるよ。

勘違いしては、いけないけど、たしかに『業』はやばいものだけど。

多分それじゃあ、あんまりかわらないし、それに『業』を背負ったのに、それを払うというのがすごく人間的な傲慢だと思う。

俺が習った『業』に対する正しい認識は『業』は結局のところ生きていく上で必ず受けるものなんだ。
生きること自体が、世界に対してすごい借りを作っているみたいなもの。

じゃあ、どうすればいいかというと。
覚悟を持たないといけないんだ。

たとえばごはんをたべるとするじゃん。ごはんは生き物だから、他の生き物殺しているよね?
でも、たとえ他のいいものを殺してもいいから、自分は生きたい。
すごく申し訳ないけど生きたい。そういう気持ちが大切なんだと思う。

だから、どんなことをやるにしたった。自分はこれをやると『業』を背負うことになる。それでも、自分は本当にこのことがやりたいのか?と常に自問しないといけないんだ。

その『業』を背負う覚悟があってやっと、人は行動してもいいことになる。
じゃないと、ただ避けていくと、どんどん道をそれていくんだよ。

親父を殺した相手に復讐したい。
でも、復讐は何も生まないしよくないことだ。
でも、やりたい。どうしてもやりたい。自分が悪いとわかっていてもなおやりたい。
みたいな感じの覚悟を持って、行動しろって感じだね。

643 :1 ◆cvtbcmEgcY :2013/10/23(水) 21:36:53.52 ID:HpvTdX7R0
長らくご無沙汰してすまん。

なんか、先生が色々あって亡くなったので、葬式とか、書類の整理とか、今後の話とか色々忙しかったw

続きだよ。内容忘れてたら申し訳ないな。

地下のところで変な、足を引きづるような音がどんどんと近づいてきたんだが、ちょうど、俺の目が暗闇で見えなくなるくらいの瀬戸際のところでとまった。

そして、そこでひたすら足踏みをする感じの音に変わった。

ワン君は「祝死」の何かしらのことをやっているのはわかっていたが、具体的に何やろうとしているのかは分からなかった。でも、それで、暗闇の向こう側にいるやつが何なのかはわかった。

金牌術の中には「死体運び」という技術があると聞いたことがあった。
一番金牌術の大本になったのは本来葬式屋だった。
しかしもととなった葬式屋は、少し特殊な葬式屋で、昔って死体とかは故郷とかに埋葬するじゃん?
でも交通の便がかなり悪かったから、もしどっか自分の家から遠いところで死んだりするとその死体を故郷まで届けないといけない。
それも腐らせたりせずにね。

その葬儀屋というか死体の運び屋が、最終的に金牌術をうみだした。

なぜそんな術が生まれたかというと、どんな人でも死体となっては罪とかそういうのはないし、それを故郷の土に埋めたりするのは生きる人の義務みたいな考えが昔にあるから。
死体運びの仕事をする必要だったが、それをする人って、あんまり人気がないのはすぐに想像できるよね?まぁ、ばっちいというかなんというか、不吉なイメージあるし。

だから、旅をする割には、宿とか食事とか誰も提供してくれなかったりした。
でも、死体を運ぶのは誰かがやらないといけない。

だから、朝廷から、この人たちに絶対協力しなさいみたいな「金牌」を死体運びの人に配ったんだ。

そして、それで、死体運びの人たちは「自分たちは死体運びだから協力しろ」
みたいな感じで、ただで宿とか提供してもらっていた。
そのうちそれがどんどん変化したのがもとらしい。

そして、その「死体運び」の具体的なやり方が、運ぶというより
死体自身に動かせるというものだった。

これが中国のキョンシーの由来でもある出しいんだけど。
何かしらの処理の後、死体を立たせて、軽くひもでつないで、それを引いて歩くと、ぴょんぴょん後ろをついてくるらしい。

さらにすごい人とかだと、死体を自分自身の故郷に行かせる方法とかもあるらしくて、その後ろをひたすら見守りながらついていくみたいな。

ただ、その死体をじぶんで歩かせる方法にはすこし不便なとこがあった。
それは、その死体が生きた人間の周りを通れない、というものだ。
理由はよくわからないけど、まぁそういうものらしい。
そして、そのとき、俺の目の前にいたのは大方そういう感じの死体だった。

この地下のスペースで狭いドアひとつという場所は、多分だれか人をドアの前に立たせれば、死体が勝手にどっかにいかなくて済むようになるためだったんだ。

大体そんな感じで暗闇で待つこと30分くらい。
ワン君は一段大きくなんか叫ぶと、俺に対して日本語で「正気の歌はうたえるか!?」と聞いてきた。

正気の歌の詳細はたぶんwikiさんのほうがくわしいから割愛するとして。
正気の歌というのはうちの世界でもかなりメジャー系な歌い物だった。

これは読み方に色々工夫があったりするんだけど。作者の文天祥ってのがすごい人で、あまりにもその気迫というかそういうのがすごかったから。
一喝で、どんな汚いものも退散させられたとのことだった。

金牌術をしらないものでも、これを読むことで、文天祥の気持ちをいうか、そういう気迫を借りることができるとかなんとか。

俺も先生に一応叩き込まれたから、歌うことはできた。
そんでワン君は、俺とそれを合唱するようにいってきた。

それを聞いた俺はとりあえずなるべく息が合うように正気の歌というものを彼と一緒に読みはじめた。

そんなに長くないものだったんだけど。
不思議なことに、それを読んでいくと、足をひきずるような音がどんどんと俺のほうから離れて行った。

そして、正気の歌の終盤になると、奥のほうからワン君の声が少しずつ近づいてきて、最終的には彼の姿が見えた。

そんで、歌が終わると、彼は急いで俺を引っ張って階段を上がっていった。

階段の上のほうはだんだんと明るくなるんだけど。
ワン君の顔がはっきりとわかるようになると俺はびっくりした。

ワン君のいけいけな感じの顔は、青あざだらけになっていて、全身が黒いすすのようなもので覆われていた。
そのまま手術室に上がり、彼と俺は精神的にも肉体的にも疲れ果てて、とりあえず、冷たい水でシャワーを浴びてから服を着替えて。
もとの服とかを燃やすとか、そういう後始末に入った。

その間に俺は、ワン君に説明を求めたんだけど。
彼は俺に「とくに説明する必要はない」と言ってきた。

まぁ、他人の流派の話とかを聞くのはよろしくないというか、なんというか、中国系だと、そういうのがもっと顕著で、師匠と弟子でも、全部教えないとかざらだから。
俺は手伝ったのになんなんだそれはみたいな不満はあるけど、その時はとりあえず、それでなっとくした。

そして、ワン君はまだ待っていた病気の子供の親とかと話をしに行って、俺は自分の部屋に戻っては、このリーさんの家は嫌な感じで、出ていきたいとおもって、ベットで悶々とした。

そのまま怖くて一睡もできないまま、朝を迎えて、腹減ったし、下に降りてみると。ワン君はすでに起きていて、庭みたいなところで、国術の朝練をしていた。

国術というのは、いわゆる中国の武術の一種で、朝鮮でいう撃術とか、ロシアのシステマとかそういうのと似たものって想像して、厳密にいえば、八極拳とか八卦掌とかもその一種で、ワン君は筋肉がすこかった。
彼の練習が終わるまで待つと、彼は俺を連れて、街へと繰り出し、そこらヘんの屋台で朝食をとることにした。

さすが人気のイケメンワン君というか、なんというか、朝ごはんは屋台のおっさんがただでいいと言ってくれた。

まぁ、町で唯一の病院もどきだしなぁとかおもって、俺はかなりうらやましかった。

俺も仕事の関係上、人を助けていると押しつけがましく思ったりすることもあるが、ここまで尊敬されることはあまりなかった。
たすけたとしても、たすけなかったにしても、かかわった人的には、二度と会いたくない類の人間だからね。

副業として、医者とかなろうかなとかまじで悩み始めたときに事件は起きた。

突然屋台にかなり厚着で、グラサンをかけた男が近寄ってきて、そして、胸からいきなり拳銃を取り出して、パンパンと、短く二回ほど、ワン君に発砲した。

ワン君はその男が拳銃を取り出したのをみるとすぐさま横に飛ぼうとしたんだけど、間に合わなくて、そのまま脇腹にいっぱつ、太ももあたりに一発あたった。

でも、そこからのワン君がすごかった。
撃たれたにもかかわらず、そのまま相手に突っ込んでいって、俺が腰抜かしてヘタり込んでいて、状況も読めない中、その男をぶん殴って、失神させた。

俺は拳銃とか今までみたこともなかったし、ましてや、人がうたれるのを見たこともなかった。

だから、半分恐怖もあって、男を倒した後の、ワン君をどう処理すればいいかまったくわからなかったし、現地の人たちで人だかり出来たんだけど。
何言っているのかもわからなくて、何をどうすればいいのかわからなかった。
そんで、まだ意識のあるリーさんと現地の人たちがしばらく話し合って、血をだらだらとながすワン君を三輪車の大きいバージョンみたいなやつに乗せて、リーさんの家にとりあえずいくことにしたらしい。
俺はぼんやりとしたまま、現地の人たちについていった。
途中いろいろ話しかけられたんだけど、俺は「ハハン?」的な感じだった。

発砲した男に関しては、そのあとは俺はよく知らない。

リーさんの家に着くと、彼は色々と現地の人に指示飛ばして、包帯とか、とりあえず、止血した。ここらヘんになって、ワン君は気を失った。

しかし、奇妙なことに。
ワン君の指示で、どうやら地元の人が、出血のために色々やってたんだけど。
血は一向に止まる気配がなくて、たえずににじみ出ているようだった。
包帯とか色々使ってたみたいだけど。
それもどんどん真っ赤に染まる感じだった。
医学の心得のあるのはワン君だけだったし、そのワン君も失神していて、みんなが途方に暮れていたちょうどそのころ。
次の朝には変えるとか何とか言っていた、師匠とリーさんが戻ってきた。

そして、リーさんは状況とかを地元の人に聞いて、先生は俺に聞いてきた。

俺はとりあえず、ワン君が屋台でなぜか撃たれた話をして、先生もびっくりしたような感じだった。
そして、ワン君の様子を少し見てきたが、先生は特に医学にくわしいわけでわなかったから。

様子が悪そうだねぇ、みたいな話を俺とした。
すこし先生からお酒と香水臭い感じがした。
あ、これってもしかして、俺を放置して、「いい場所」とか逝ったんじゃないのか!
とかおもったけど、こういう状況だし、何も言わないことにした。

一方、地元の人から、色々と聞いていたリーさんは、俺と先生に、すまない、こんなことが起きてしまって。本当は観光案内くらいはしたかったが、それどころじゃなくなった。
とりあえず、家の中の部屋は自由に使っていいから、ゆっくりしていってくれ。
みたいな話して、治療のためとかだと思うんだけど。
深刻な顔で、ワン君を手術室のほうに運ぶように指示しているみたい。ワン君をつれて上のほうに行った。

俺はぽかんとしたんだけど。
先生はまぁ、しかたないなぁみたいな感じで、俺をつれて、もってきた花札で自分たちの部屋であそんだ。

遊びながら、もちろん雑談はするんだけど。
その間に、先生に昨日の夜の話をした。
すると、先生は顔色を変えた。

それはやばい。早くリーさんに教えないとみたいなことを言って、リーさんを探そうとした。

リーさんは案の定というか、手術室のような部屋にいて、まだ、治療中だったようだ。

そしたら、待っているついでに、先生は俺にいろいろ話をした。
まぁ、詳しい術とかどうなっているのかは、先生も金牌術の専門家じゃないからわからないんだけど。

どうやら、昨日ワン君は俺を手伝わせて、誰かが子供にかけた降頭術を解いたんだと言ってきた。

うちは妖怪専門だし、こういう呪い系は存在は知ってるけど、降頭術というのはまぁ、前のほうで説明したような気があるから。
もう、あまり詳しくいわないけど。

よくある症状としては、けだるいとか、病気になりやすくなるとか、すぐ怪我をするとかで、日にちがたつにつれて、どんどんひどくなって、死に至らせる、という呪い方らしいんだ。

具体的な解き方は実は先生も分からなかったらしいが、でも、降頭術を解いてしまうと、術をかけた人間がすごいしっぺがえしをくらうこと、そのしっぺがえしを食らわないためには、術を解いた人間を殺すこととかだ、と言ってきた。

降頭術は東南アジア一帯で流行っているらしくて、大抵のその手のすごい人は、地元の規模の大きいギャングとかに所属していて、大量の金をもらう代わりに、人をのろったりしている。

だから、降頭術ってのは例え、見つけても、解き方を知っていたとしても、決して関わっては、いけない。
じゃないと、そっちの術師と、どっちか生きるか死ぬかの話になるから。
もうどうしようもなくなる。

まぁ、じゃあ、降頭術師は手の着けようがないのかというとそういうわけでもなく。
その手の人って10年に一度とか、5年に一度とか、そういうペースでしか、人をのろったりしかできないので。
その間は呪いで稼いだ金で、豪遊しながらくらす。

手術室でリーのおっさんを待っていると、そのまま2,3時間たった。

おっさんが出てくると、ものすごい疲れている感じの顔だった。
待っていてくれたのか的なことをいったが、すぐさまそれを遮る形で、先生は俺が言っていたことを彼に教えた。

話を聞くうちにリーのおっさんの顔色はどんどん悪くなった。
そして、話を聞き終わると、彼は今ワン君はなぜかどんな処置を施しても、血が流れ出るのがとまらないらしい。

もちろん、応急処置で、流れるのをかなり遅くしたが、それでもおかしいことに、血がひたすら流れ出てい来るという。かなりヤバい状況とのこと。

俺は、これってやっぱり降頭術が原因ですかって聞いたが、リーさんは少し悩むそぶりを見せて、そうだと、俺に答えた。

少し風呂ってくるがすぐもどる。

リーのおっさんが住んで着る街というかスラムは実はとあるマフィア?みたいな組織が仕切っているみたいで。
そんでリーのおっさんはそのお抱えで、風水とか占いとかそういうのをしながら生計を立てている。

まぁ、そういう裏社会云々はまた長くなりそうだから、省略するとして、とりあえず、そのマフィアはほかのマフィアと争って、敵側のボスみたいなのを殺してしまったらしい。

そんで、新しくボスになったやつが、下に威厳を見せつけるためもあってかな?
大金はたいて、降頭師に頼んで、地元のマフィアのボスの子供さんをのろわせた。

前に書いているように、降頭師ってのは5年や10年くらいでしか、一回働かない。
なぜかというと、ひとつに罰あたりすぎるから、やりすぎると寿命がちじむから。

もうひとつが、
「俺、10年に一回しか働かないんだから、そんぐらい他の術者は放っておけ」という意味合いもある。

術を邪魔されると、邪魔した人間とはどっちかが生きるか死ぬかの争いになるから。
そういうのを避けるためもあるのかな?
だから、暗黙の了解として、他の術者は、降頭術がかかった人間をみたら、放置するって決まりがあるらしい。

その呪われたギャングのボスの子供が前の日に連れてこられたあの子

三日前ほどの一度ボスはその子を連れてリーのおっさんに助けてほしいとお願いに来たらしいが、もちろん、その時は自分にはどうしようもないと、おっさんは断った。

暗黙のルールをまもったんだよ。例えどんなに親しい人でも、こればかりはできないってやつ。しかし、ワン君はそれをやぶった。

まぁ、俺が言うのもあれだけど、彼は若すぎたんだよ。
そんで、俺なんかよりはるかに優秀なのも、少し祟った。

彼はそのマフィアの子供とかなり仲良かったらしくて。
生まれた時に出産に立ち会い、世話や遊び相手もたまにしていたらしく、情が移っちまったらしい。

だから、やばいのは分かっていたが、自分は優秀だし、もし、相手側の降頭師が何か仕返しをしかけてきても、自分ならなんとかできて、自分の先生には迷惑かけないと思って、リーのおっさんが留守になったのを見るや否や、ボスに連絡して、降頭術を破ったのだ。
何も知らない俺とかもついでに使ってね。

これがいわゆる『業』かな?
分かっていても、情に流されてしまう感じ。
一度仲良くなってしまった人間とのつながり、
一度仲違いになってしまった人間のつながり、
そういう複雑に絡み合った思いというかそういうのというか、こういうのが後あと、自分の不利益につながってくる。
でも、だからと言って、それを避けたり、払ったりはできない。

ワン君の場合はその例だね。自分が弟同然と思っている子供が呪われた。
それを助けるためには、『業』を背負うことになる。

でも、自分のみに危機が迫ったとしても、どうしても助けたい。
そういう時のことを、先生は俺にこれを「劫」と教えた。

俺は今でも覚えてる。手術室に入った時の、ワン君のあの真白の顔。

リーのおっさんと先生は深刻な顔をして色々話し合った。どうやら、相手側のギャングはてっぽうだまの下っ端で、ワン君を重症にしたうえで、呪いをかけているみたいだと合意した。

まぁ、確実にワン君を仕留めたかったんだろうね。

これは謝りに行っても、無理だし。
助けるとなっても、降頭師側にさらに喧嘩を売ることになる。

先生はリーのおっさんに、出来ることをしたいのは山々だが、さすがにこれは事情も事情だし、関わりたくないと伝えた。

俺はワン君が少しかわいそうだと思って、どうにかできないか先生に聞いたが、先生はそんな情は捨てろ、といった。
そんなことより、お前は自分の身を心配しろ。お前だって降頭術をやぶる手伝いをしたんだろと、さらに続けた。

ワン君は、いい手をつかったと言わざるをえない。
俺を使うことで、先生まで巻き込もうとしたんだからね。

まぁ、ただ、先生はそこまでお人よしじゃないので、まんがいち、俺もしかいしの対象だったら、容赦なく切り捨てただろうなぁと、今でも思う。

でも、リーのおっさんは先生と違って、弟子思いだった。
やっぱりワン君をなんとか助けたいとのことだった。

そこで、先生はどうするつもりなんだときいたら、リーのおっさんはただ頭をふり、部屋のどっかに消えていった。

そんで、しばらくすると、またもどってきてこれをどうぞと、爪切りを渡してきた。

俺はあ、これってもしやエンギではないかと思った。これは昔教わった、この人の行動は、もう自分とは関係ありませんよとの儀式らしい。

そして思った通り、先生はその爪切りをとると、かなりの深く爪を切った。
目安としては、少し血がにじむくらい。
俺も、それをやった。痛すぎて涙目になった。

その爪と爪切りをリーのおっさんに渡すと、おっさんは爪切りを割って、その爪を赤い布袋に入れた。

これで、その爪の入った袋を燃やすまで、俺と先生は、リーのおっさんと、一言もしゃべったり、筆談したり、とかそういう交流を一切持っちゃいけないんだけど。

彼のその間の行動は、俺と先生とは関係ないよってことになるらしい。

そんで、その日は飛行機のチケットの都合上、まだその家に残ることにしたんだけど。
俺と先生はリーのおっさんが準備してくれた客部屋で、中国将棋とかやりながら時間つぶした。

まぁ、俺は降頭術の仕返しが飛んでこないか、一日中、ガクブルしてた。

俺の場合、助けてくれる師匠なんかいないからねww

その間。リーのおっさんは何やら準備しているらしく、かなり玄関のほうとかは騒がしかった。

そして、夜中。先生はもう寝ると言って、自分の部屋でグースカし始めて、俺も、色々あって眠れなくて、うとうとしていて、でも、やっぱり疲れもたくさんあって、結局眠りに落ちようとしたそれくらいの時に、俺の部屋のドアをトントン叩く音がした。そんでぼんやりとワン君の声が聞こえてきた。

なにをしゃべっているのかは、多分中国語だったのかな?
よく理解できなかった。寝ぼけてたしね。

なんだよ、こんな時間に、とか思いながら。
めんどくさいから放っておこうとかそんな風に無視してたら、急にッバと足を強く引っ張られた気がする。
そんで、急に眼が覚めて、身を起こしたんだけど、真っ暗で何も周りが見えないのに、くすくすくすっとなんか誰かが笑っているような気がした。

気味が悪かった。
なにかすごく嫌な予感がしたから、ベットから飛び降りて、ドアのほうに行って耳を澄ませてみた。
今度は何も聞こえなかった。

でもなんか変なにおいがした。嗅ぎ覚えのある匂いだった。
半分寝ぼけた頭はその匂いを認識するのには時間がかかった。
俺はとりあえず、部屋の外の様子をうかがってみようとドアの鍵を回すと、扉はピクリともしなかった。

なんかものすごい重いものが、ドアをふさいでいるようだった。

そんでやっと、その時点で頭の中が明瞭になってきて。
臭いの正体がわかった。
物がやけて炭になっていく匂いだった。

何で、またこんなことにとか、ぼんやりおもってしばらく、ドアを押したり声をあげたりしていると、扉の隙間から煙がむくりとでてきた。

俺はなぜか確信した、これは火事だ。
いや、なんというか俺は火事を経験したことないし、その現場に行ったことがないけど、俺以外の何かが、俺自身の頭に、これは間違いなく火の手が迫っていると、俺に伝えてきた。

そんで、俺はこれはマジでやばいぞ。何が起きたのか知らんが、俺このまま蒸し焼きにされて死ぬかもしれない、と思った。

どうしよう、どうしようと部屋中をまさぐりまくった。
部屋には窓がなく、脱出のルートはないし、使えそうなものはなかった。
ポケットの中には●ンドームがあった。
ああ、俺童貞のままで死ぬのかなぁとか思った。

その時だった。

バンバンと何かがまた強くドアをたたいた。
俺はもうモクモクと煙が入ってくる扉に咳しながら近寄ってだれかーとか叫んだ。
返事はなかった。俺は無駄だと思ったが、ドアを開けようとしてタックルをかました。

すると、扉はバンと、結構すんなりあいた。予想以上に力入れた俺は何かに頭をぶつけて、痛みで少し悶えた。
痛みが治まり、あたりを見ると、結構火がこっちに迫っていた。
そんで、俺のドアの前なんだけど、ドアをふさいでいたものなのか、本棚とか、重そうなタンスとか、そういうものだった。

そういうものは当たりに散らばっていて、もちろん、おれのタックルでどいたものじゃないだろうって感じだった。

もしそうだとしたら、俺は相当な火事場の馬鹿力を発揮していて、多分その時なら、キン肉バスターとかできるぐらいだったんだと思う。

一体誰がどかしてくれたんだろうとか、それを考える暇もなく。
俺は逃げ道を探した。階段に行くほうはもう火が広がっていて、とてもじゃないが行けそうになかった。

そんで、そういうえば、先生の部屋に窓が!と思いま出した。
そして、急いで隣の先生の部屋に行った。

部屋に先生は、いなかった。窓のほうにかけよると。俺はぞっとした。二重の意味でね。
まず窓の中、ぼんやりとガラスの反射で窓が鏡になっていて、俺の姿の後ろに、黒い影のようなものがたくさんいた。
そして、窓の外、家が燃えているからだろうか。当たりが赤く光って見えているんだけど。

そこにはたくさんの無表情の人が立っていた。
現地の人たちだろうか、何もいわず、ただ整然とそこに立っていて、じっと、燃えている家をただ見つめていた。

煙の量がどんどんと増える中、俺には何かを考える暇がなかった。
窓をものすごい勢いで開けて。

俺は、そのまま飛び降りた。

もちろん、一階じゃないし、それなりの高さがあったけど。
それ以上に、パニックになっていたし。その時はそれ以外方法はないと思った。

地面に最初についたのは足だったが、グキッといった。
次にからがを強く打った。頭を守るための手も、ぐぎっといった。
でも、なんとか受け身はとれた。

ふしぎに痛みはなかった。
そして、あたりを見渡すと。現地の人が、俺を見つけたのか、かけよってきて、そんで、俺の顔を見ると。
さっきまで静かだったのがウソだったかのように、みんな、声をあげたり、何か叫び始めた。中には泣きはじめる人もいた。

そっからは、意識を失ったので。覚えていない。
目が覚めると、もう朝で、狭い車の中にいた。
後ろのほうに横たわっている感じだ。

手と足はものすごく痛くて、みると添え木なのか木の板があった。
車の運転席を覗き込むと先生がいた。
助手席は誰もいない。

先生は、もうすぐ病院のある町につくと言ってきた。

俺は、記憶の混乱のせいで状況がまったく理解できなかったし、痛みでそれどころじゃなかったから、道中は静かにうめき声を上げるだけだった。
大きないかにも観光名地みたいな町の病院につくと、医者に色々処置された。まぁ、どうやら手と足の骨折と、その他もろもろの打撲らしい。
初めて骨折したんだが、骨つなげるあれ、めっちゃ痛いねwww
そして、ひと段落して、とりあえず一日入院するようにと、日本語の分かるその医者に言われて、病室にうつされて、そこでやっと、先生とゆっくり話ができた。

簡潔に言うと、先生は俺を売った。
リーのおっさんは俺をワン君のかわりに殺すつもりだったらしい。

先生によると、リーのおっさんは先生にエンギをする直前に、うちの業界特有の手を使った合図みたいなので、30万でどうだ?(ここでいうのはドルかな?)と聞いてきたから。

先生も、あ、これ多分弟子のことだな、と思って「いいよ」と返事した。
(その時の俺はまだこれを習っていなかったが、この件の後にすぐに習得した)

それから、先生は暗黙の了解的に、とりあえず俺を家に残すために、色々と俺の暇つぶしとかに付き合って。
そんで、夜中になったら、こっそり家を抜けだした。

詳しくはリーのおっさんが何をしたかは先生も知らないらしいが。
でも、たぶん俺を殺して、リーのおっさんとワン君が助かるか、俺が生き残って、リーのおっさんとワン君両方死ぬか、どっちかだったらしい。

現在は、ワン君は失踪していて、そんでリーのおっさんはまだ生きているが、もう長くないだろう。
リーのおっさんはこんなことに巻き込んでしまって悪かった。
しかし、これしかなかったんだ。許してくれとは、いわないとかなんとか、俺に伝えてほしいと先生に依頼していた。

まぁ、これから会うこともないだろうな。
それにしてもよくあれで生き残ったな。運がよかった。と先生は締めくくった。

俺はやっぱり何がなんだかよくわからなかったけど、無事なほうの手で、先生の顔をグーでなぐった。

リーのおっさんはその夜に、どういう儀式をしたのかはわからない。
もしかしたら、あの地下室の断龍釘とかとも関係あったのかもしれない。

あの時聞こえてきたワン君の声は一体何だったのかも謎だ。
ワン君は失踪したらしいけど、一体どこに消えたというのだ。
何で、家は火事になったんだろうか。そんで、その時外にいたたくさんの現地の人たちは何がしたかったんだろうか。

俺を引っ張ったりしたり、笑い声が聞こえたのは幻なのか、俺の部屋のドアをふさいでいたもの。あれをどかしたのは一体誰だったのか。

考えても分からないことが多すぎた。

でも、窓に映ったたくさんの影。あれはだけはわかる。
間違いなく火で、焼けて炭になった。イタチたちだ。

まぁ、それ以降の教訓としては、二度と先生と一緒に外国に行かないってことかな。

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