ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖い話ネット【厳選まとめ】

短編 洒落にならない怖い話

裏切り者

更新日:

Sponsord Link

オレには植村という高校時代からの親友がいた。

少しクセのあるやつだったが、兄弟のようにいつも二人でいて、お互いを理解しあっていた。

目指す道はそれぞれ違ったが、どんなに歳をとってもいつまでも一緒でいようと、堅く誓いあっていた。

そして植村は東京の大学へと進学し、オレは地元の田舎大学に行くことになった。

別れてからもオレたちは互いに電話で連絡を取り合った。

オレもそこそこ大学生活を楽しんではいたが、植村の都会での生活は本当に楽しそうだった。

色んなサークルに入り、毎日合コン三昧で、とても勉強が手につかないような状態らしい。

そんな植村の生活がオレは羨ましくて仕方なかった。

ある日、植村から東京に来ないかと誘われた。

2010/07/04(日) 00:23:36.48 ID:RrNEwiSiP

ちょうど夏休みだったし、以前から東京に興味をもっていたオレは、是非行きたいと返事をした。

新幹線の中でもずっと互いのことを話していたが、途中で携帯の電池がきれてしまった。

そこで初めて携帯の充電器を忘れたことに気付いた。

しまった。まだ待ち合わせ場所も聞いていない。

駅に着いてから公衆電話をさがしたが、いつも携帯から掛けていたので電話番号を憶えていなかった。

仕方ないので、慣れない都会で携帯ショップを探し、やっとのことで充電することができた。

携帯を開くと植村からの不在着信とメールが奇妙なくらい来ていた。

「どうしたんだ?何かあったか?」

「西口交番前でまってるぞ、早く来いよ!」

「オレの彼女も連れてきてやるよ!会いたがってたろ、お前」

「俺と同じ大学に行った神崎も来るってさ!みんなで盛り上がろうぜ!」

「おい、本当にどうしたんだ?一言くらい返事をくれ!」

Sponsored Link

オレは植村が怒っていると思い、状況を聞くために神崎に電話した。

プルルル……

ガチャ

「もしもし、神崎だけど。何か用?」

何か用?久しぶりに会うというのに随分そっけないではないか。

そのことを神崎に尋ねると、

「会う……?植村と三人で……?オレはそんな話聞いてないぞ」

何かがおかしい……

オレは神崎に植村のことについてもっと詳しく聞いてみた。

すると意外な答えが帰ってきた。

どうやら植村は今までオレに見栄をはっていたらしい。

植村は都会の生活に慣れることができず、一人でいることがほとんどだったそうだ。

講義もサボり気味で単位も取れず、最近は大学にさえ顔を出さなくなったらしい。

オレは急に心配になって神崎との電話を切ったあと、すぐに植村に電話した。

プルルル……
プルルル……

なかなか出ない。

プルルル……
プルルル……

カチャ……

やっとでた。

だが妙に静かだ。何の物音もしない。

オレはそのまま暫く待った。

やがて獣の息づかいのような荒々しい音が聞こえてきた。

そして……

「ウ ラ ギ リ モ ノ」

静寂の中にはっきりと、背筋が凍るような声が響いた。

この世のあらゆる悲しみと憎しみの込められた声、それは植村の声とはとてもかけ離れたものだった。

その後すぐ電話は切れた。

三日後、植村は山中で首を吊った亡骸として発見された。

植村のバッグからは

もう一人分の縄が見つかったらしい……

(了)

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 洒落にならない怖い話

Copyright© 怖い話ネット【厳選まとめ】 , 2019 All Rights Reserved.