十年前、学生の頃に住んでた杉並区のマンション。
806 :名無し不動さん:2008/06/26(木) 17:37:52 ID:Gtnj0nVm
当時で築十年くらい。最上階三階だったんだけど、夜になるとたまーに上から足音が聞こえる。
いつもほとんど夜しかいなかったので、夜しか聞いてないんだけど。
上に誰かいるのかと思い、見に行こうとしてもドアに鍵がかかっている。
マンション下からは全く見えないので、向かいの五階建てマンションへ行き、自分のところを見てみた。
が、しかし、水道タンクとかしかない。
頻繁にではないのであまり気にせず、猫でもいるのかと思ってたが、友達が泊まりにきたときに
「これ絶対猫じゃねえよ、うち猫いるからわかる」と。
それでも俺は別に気にしなかった。
卒業と同時に引越決定。
引越作業してるときに玄関開けて掃除とかしてたんだけど、水道業者のおっちゃんが二人ほどいた。点検だかなんだか。
屋上に出入りしているようなんで、ちょっと覗きに行った。
やはり、タンクとかそういった設備しかなかった。
おっちゃんが俺に気づいて、「どうしました~」って言った。
俺は「いやー、よく屋上で歩いてる音してたんだ……へへへ」みたいな。
そしたらおっちゃん、顔色変わった。
聞いたら、すぐ隣のマンション屋上に住んでいる大家(それは俺も知ってる)の息子が、
いわゆる知的障がい者で、ちょっと隔離されていたそうだ。
それで、このマンションの屋上に小屋みたいなプレハブで住んでたと。
そのプレハブなんかの設置も、その工事業者さんがやったらしい。
息子さんは十年ほど前に、マンションのすぐ近くをうろついてて事故死。
それからそのプレハブはなくなったそうです。
2DKで65,000円はどうりで安いと思った。
でも何もなかったからよかった。
(了)
山の不可思議事件簿/上村信太郎