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短編 ほんのり怖い話

サンタのお面

更新日:

およそ十年前、妹が小学六年生の時に体験した話。ちなみに自分は四つ離れた兄です。

2004/07/24(土) 14:33 ID:9XHTngyl

クリスマス前に、サンタクロースのお面つきのお菓子を買ってきた。

クリスマスの次の日の夜……つまり二十六日、

風呂から上がって二階の自室に戻ると電気が消えていた。

室内灯もテレビも風呂に向かうときに点けっ放しにしていたはずだという。

テレビも消えており、逆に点けた覚えのないテレビの上に飾られた小さなクリスマスツリーの電飾だけが、赤青黄赤青黄、と室内をいかがわしく照らしていた。

わけがわからないまま点滅する暗い部屋を覗き込んでいると、視界の隅で何かが動いた。

ドアの左手、壁沿いに置かれたピアノのその向こうから、お菓子についていたサンタクロースのお面が顔をかたむけてこちらをうかがっていた。

妹は一瞬視界が暗転しかけたらしいが、次の瞬間。

家人の誰か(というか兄の私)の悪ふざけだと思い、

「なんばしょっとか!やめんか!ふざくんな変態が!」とわめき散らした。

ところが、それを聞いた私が驚いて階段を上がってきたので、今度こそ錯乱して部屋から飛び出した。

私および後に続く父親母親~これで家人全員~はその場で、泣きわめく妹から「どうやら部屋に何者かがいるらしい」ということを聞き出した。

母親が弾かれたように階下の電話に向かう一方で、親父と私は恐る恐る部屋を覗いた。

部屋の電気は、ドアの外のスイッチで、何事もなかったように点灯した。

サンタのお面はピアノの向こうにも、床にもベッドや机の下にも見当たらなかった。

窓はすべて内側から鍵がかかっている。

110番通報で来てもらった二人の中年の警察官のうち一人が押入れを開けたが、中には布団以外何も見当たらない。

そこからつながる天井裏も、ホコリの様子からそもそも人が入った気配がない。

妹は十二月二十六日から翌年の二月まで、自室に入ろうとしなかった。

(了)

 

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