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霊感野球少年

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俺が中学の頃、野球部の連中から聞いた話

2007/03/24(土) 02:30:02 ID:NIS/0JN70

その中に霊感の強い奴がいて色々なエピソードを持っていた。

以降そいつを中西(仮名)と呼ぶことにする。

夜十時頃中西が、グラウンドを横断したときのこと。

当時は、夜間のグラウンドを通るのは禁止されていたのだが、家に帰る近道なので通っていたそうだ。

グラウンドに面していた建物に体育館があった。

体育館の一階は部室になっていて、一箇所だけ部室の扉が開いていたらしい。

中西が不審に思って、前を通る時に、開いた扉に接近しながら覗いてみると、部室の奥に霊が立っていたとか。

まあそんな感じで”見える奴”ってことで有名だった。

当時の野球部の連中は結束が固くプライベートでもよく一緒に遊んでいた。

ある夏休みの日に、肝試しをやろうということになった。

十人から十五人ぐらい集まって(もちろん中西も参加)夜十一時頃から全員一緒に火葬場まで行って帰ってくる簡単なものだった。

時間になって、参加者が全員いることを確認して、みんな一緒に固まって歩いていたそうだ。

「くせーなあ」

「うわー、マジくせー」

参加者の中で声があがった。実は火葬場に行く途中ゴミ処理するためにゴミをストックしておく倉庫みたいなものがある。

ゴミ処理倉庫は常時扉が無く、開放状態だったのでその臭いがモロにくるのだ。

野球部の連中もなんだか興ざめな感じで、中には冗談まで言うやつが出たりして、とても肝試しの雰囲気ではなくなったそうだ。

早く家に帰ってテレビでも見ようみたいな。

突然、

「ガン、ガガン、ガガガン!!」

という大きな何かぶつかるような音が鳴りひびいた。

みんながその音の鳴る方向へ目を向けた……

「!!!!!」

なんとカンバンみたいなものが、踊るようにゴミ処理倉庫の屋根の上を跳ね回っている。まるで生きているかのように。

「うわぁーーーーー!!!」

全員我先にスタート地点へ走っていった。

スタート地点へ戻ったがみんな無言だった。が、誰かが「おい、中西がいねーぞ」という言葉で再びパニック状態に……

「マジかよ!」

「あそこに中西が一人でいるのかよ!?」

「もうあそこには戻りたくない……」

しかし気丈な奴が三人いて「俺らが中西を連れてくるから、待ってろ」ということになった。

三人はビビりながらもゴミ処理倉庫へ向かった。

倉庫前についたが、例のカンバンはもうすでに消えていて、ホッとしたのか三人は声を出して中西を探した。

「おーい中西」

「どこにいるんだー」

いない。いったいどこにいるんだ……

倉庫付近にはいないことが判明し、奥の火葬場へ行くことになった。

いた……

しかし気を失って倒れている。

三人の中の二人が中西の脇に体を入れ連れて行くことになった。

しかし、もう一人の奴の様子がおかしい。

ガタガタ震えていて泣いている。

不審に思ったが、二人とも中西を運ぶのに必死で、それどころではなかった。

無事にスタート地点間で戻り、全員の人数を確認した。

中西を担いだ二人のうちの一人が様子がおかしかった奴に

「どうしたんや?」

と聞くと、火葬場の前に上半身だけの男がじーっとこっちを見ていて、中西を助けるどころか自分で歩いてくのが、せい一杯だったらしい。

その後、中西は家まで運ばれて二日学校には来なかった。

登校してきた中西から聞いた話によると、カンバンが跳ね回っていたときに、火葬場の方から自分を呼ぶ声が聞こえてそちらに向かったとのこと。

でもその声の主がすざましい怨霊で、あまりの力に気を失ったとのこと。

「あんなの初めてや。もう二度とあそこへは行かん」

(了)

 

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