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盗まれた佛像

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 母親から聞いた話。

11: 本当にあった怖い名無し 2012/07/27(金)01:58:15 ID:3qiOSY+D/

自分が生まれるずっと昔の話らしいんだけど、母方の爺ちゃんは坊さんだった。

終戦後は坊さんの人数が足りなかったのか、他の事情があったのかは今となっては分からないが、元々住職をしてた茨城の寺の他に、東京の寺も兼務してた。

寺は無人には出来ないから、茨城の寺には婆ちゃんが、東京の寺には婆ちゃんの母親がいる事で、爺ちゃんは茨城と東京を行ったり来たりしてた。

不思議な事があったのは東京の寺。

爺ちゃんが茨城でお務め中で不在の時に二度程泥棒に入られた。

一度目は仏像がなくなった事に気付いた曾祖母が、爺ちゃんに連絡。

東京に戻るのは次の日になるので、とりあえず曾祖母が警察へ。

爺ちゃんも東京に戻ってしばらくは落ち込んだらしいんだが、盗まれた仏像が返って来るとは限らんし、新しい仏像をそろそろ……と考え始めたらしい。

盗まれてからどれくらい日がたってたか詳しくは知らないが、ある日古物商が訪ねて来て「ぜひ見てもらいたい物がある」と。

ていねいに包まれた物を差し出され、中を確認すると、なんと盗まれた仏像だった。

拾ったにしちゃ家に直接持ってくるのはオカシイし、盗んだ本人が返しに来た風でもなし。

爺ちゃん軽くパニクったらしい。

古物商の話だと、実は仏像を引き取ってから同じ夢を見始めた。

夢の中で「自分は〇〇の□□という寺にいた。早く元の居場所に戻してくれ」みたいな事をいわれたらしい。

最初は聞いた事も行った事もない寺だし、おかしな夢を見たくらいにしか思わなかったらしいが、毎日同じ場所・同じ寺を繰り返し夢でいわれるので、調べてみたら実在する寺がある。

これは何かあると思い訪ねて来たと。

話を聞いて爺ちゃん大層ビックリしたものの、古物商に感謝しまくり、仏像を以前に増して大事にしまくったそうだ。

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二度目に盗まれた時は、すぐに戻って来たらしい。

しかも盗んだ本人が、直接返しに来た。

爺ちゃん曰わくだいぶ憔悴しきった様子だったらしい。

泥棒の話だと、前の古物商同様に盗んだ日から毎日同じ夢をみる。

ただ元の寺に返す様にいわれるだけでなく、説教付で盗んだ本人もたびたび話の途中で支離滅裂になるし、とりあえず警察へ連絡し泥棒御用。

後から聞いた話だと、泥棒はしばらくの間時々何かをブツブツつぶやいては念仏三昧の日々を送ってたらしい。

その話を聞いた爺ちゃんは、泥棒ながらチョッと可哀相になったとか。

その話聞いた自分もどんな説教だったんだとガクブル。

その後仏像は盗まれる事なく、今も東京の寺にいらっしゃいます。

(了)

 

怪談彼女 てけてけ 永遠月心悟/著

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