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階段を上がってくるもの

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一軒家の人はよくわかると思うけど、足音ってあるだろ?

それで大体、例えば階段上ってる音とかで家族の誰が上ってくるか分かるだろ。

ドンドンドンドン!って大きな音だったら親父だ、とか

トンットンットンッって軽いリズムだったら姉だ、とか。

でさ、俺が二階で勉強してるとね、誰でもない足音が来るんだ。

トントンットン、トントンットン……って。

足音っていうのは体重とか身長とかで決まるんだよね。

日によって多少の違いはあれど、大体の感じは決まってるの。判るだろう?

けどその足音、俺がまったく聞いたことのないリズムだったのね。

まるで、うん。まるで小さい子供が上ってくるようなのね。

上り始めた時には意識すらしなかったんだけど、耳に聞き入れた時に頭のどこかで「おかしい」って気づいたんだろうね。

だってさ、家族で二階に用事があったんなら階段で昇り降りなんてしないだろ?

そうだよ。おかしいのはリズムじゃなかった。

むしろその上ってくる誰かがやってる行為なんだよ。

トントンッ で上っては、トン で一段降りる。

トントンッ で上っては、トン で一段降りる。

時折、トントン で降りては、トントントンッ で上ってくる。

あれ?って思ってからもやっぱり誰かが上ってくる。階段を昇り降りしながら。

トントンットン、トントンットン

もうこの時点で勉強どころじゃなくなって、全神経を耳に寄せて誰かの足音をじっと観察したわけ。

でも、ふとこうも思った。

この誰かが最後まで上りきったら俺どうなるの?

そう思ったら変な汗が背中から吹き出てきた。物凄く背筋が熱い。

そうやって俺が変な感覚に襲われてる中でも、誰かは着実に階段を上ってくる。

トントンットン、トントンットン

相変わらず遊んでるみたいな昇り降り。

ちなみに俺の家の階段は螺旋階段みたいにゆるやかにカーブしてるんだけど、階段数そのものは少ない。

数えた事はないけれどせいぜい一六段かそれぐらいだと思う。

つまり、もうそろそろ今昇り降りを繰り返してる誰かは階段を上り終える。

ここは二階だ。

うん、逃げ場なんてないよね?今誰かがいる階段以外には。

でもその時の俺は何を思ったのかな、ベランダの窓を開けたのね。

そんでもって外に出たの。

部屋から出て行く間際、あの遊んでるみたいに上ってきていた足音がね、

ドン! ドン! ドン! ドン!

って音に変わってるんだよ。

降りてもない。ただ上ってくる。大きな音で。

でも親父の足音でもないよ、もちろん。

そもそも最初から親父ならあんな変な行動起こさないだろ、昇り降りを繰り返すなんて。

そんでさ、もう訳わかんなくて飛び降りたのね。ベランダから。

庭に止めてある車のボンネットの上に。

距離的には短かったし難なく降りれた。

俺はほっとして、気の抜けたまま、もう止せばいいのにね。見ちゃったの。

二階の俺が飛び降りてきた部屋を。何でかなぁ。

そこに居たのね、子供なんかじゃなかったの。家族でもなかった。

うん、いや。言い方が違うな。一人じゃなかったのね。

姿こそ見えなかったけど、揺れてるカーテンの隙間から見えたのは、かなりの人数の人間の目だった。

ギョロギョロ

みんな一斉に外をね、別々の方向をね、見てるの。

いや、うん。探してるんだ。俺を……

(了)

 

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