朝起きて家の前でタバコふかしてると、隣に住んでるAさんに声をかけられた
774 本当にあった怖い名無し 05/01/11 00:54:45 ID:VOCdr4vl
「○○ちゃん、(私の名前) 頼みたい事があるんだけど……ちょっとみさき(Aさんの娘さん、小一)の事見てやってくれないかしら?」
「別にいいですけど……どうしたんですか?」
「あたしの母さんが倒れて、病院に運ばれたのよ……たいした事無いらしいけど、みさきに教えるとうるさいから……」
「あー、みさきちゃんおばあちゃんっ子ですもんねー」
なんて会話をして、Aさんは病院に向かった。
四時頃には帰ると言っていたので、その間Aさんの家でみさきちゃんと遊ぶ事にした。
みさきちゃんは本を片手に、嬉しそうに私に話しかけてきた。
「あんねー、これがみさきがもってるなかでいちばんこわい本なの!」
手渡された本は、著作権侵害だか何だかでオカ板で話題になったあの本……
Aさん、2ちゃんねらーだったのか……ていうか子供に見せるなよ、とか思いつつもみさきちゃんの相手をしていた。
昼食を食べ、みさきちゃんの怖い話に耳を傾けているうちに、三時になった。
「あ、三時だ……そろそろお母さん帰ってくるかもね?」
私がそうみさきちゃんに言うと、彼女はなんともいえないくらい素っ頓狂な声で呟いた。
「……かえってこないよ?」
「……なんで帰ってこないって思うの?」
「だって、おかあさんおばあちゃんのところにいったんでしょ?」
……なんで知ってるんだろうと一瞬ゾッとしたが、朝の電話の話を聞いていたんだろう、と思った。
「なんだ、知ってたのか~……でも、大丈夫、四時頃には帰ってくるって言ってたから」
「でもおばあちゃんしんじゃったもん、かえってこれないよ?おねえちゃんもおかあさんがかえってくるまでかえれないね~」
そう言ってみさきちゃんは楽しそうに笑ったが私は笑えなかった。
私は意を決して聞いてみた。
「どうしておばあちゃんが死んじゃったってわかったの?」
みさきちゃんは私の背後を覗き見るように動いた後、私に視線を戻して言った。
「おばあちゃん、おひるからずっとまどのそとにいるもん。テレビでやってたよ?くちからちをながしたひとがね、まどからのぞいてて、そのひとはもうしんじゃってるんだって」
……私は振り返れなかった。
背後の窓から来る外の寒さが嫌に強く感じられた。
結局Aさんが帰ってきたのは七時前だった。
Aさんの母……みさきちゃんのおばあちゃんは、病院で急に容態が変わってお昼頃に急死したらしい。
Aさんの感謝の言葉を背にドアを開け家を出ようとしたとき、みさきちゃんがこう言った。
「おばあちゃん、おねえちゃんについていかないで、みさきとあそんでよー」
みさきちゃんの視線は私のほうを向いていたが、私自身には向けられていなかった。
みさきちゃんはすぐに何かを追いかけるように視線を移し、台所の方に笑いながら走っていった。
(了)
[出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1103819372]