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短編 ほんのり怖い話

子どもの執着

更新日:

ゴールデンウィークに孫たちが帰省しなかったことへの寂しさからか祖母が電話口で興味深いことを言ってた。

52 :名無しさん@おーぷん :2014/05/07(水)10:28:52 ID:PTWM5iEbz

子供というのは何かに執着を見せるものだ。

その対象は、水、火、石だ、と。男児に多いとも言ってた。

それぞれに危険があり、そのこが何に執着をみせるのか知るためにも、田舎があるものは子を連れて田舎で生活する時間を持つべきだ、みたいなことを言ってた。

とりあえず一番危険なのが水に執着する子。

そういう子は用もなく川なんかに出かける。理由はわからない。

呼ばれる、という言い方をすることもある。

おれは渓流釣りや魚獲りが好きでよく川に出かけたが、はじめは祖父母によく注意された。

一人で行くなと。

ただ、松の木やライターや塩を持参していたり(魚を焼いて食うため)、よくよく話をすれば、おれの興味は魚をとることで、どちらかというと火が好きだということがわかり水の心配はあまりなさそうだと安心したという。

オカルトというよりも、確率統計的で現実的な話なんだろうが、川なんかが好きな子はやっぱり溺死してしまうことが多く、水に執着を感じさせる子は目を離さないように、と。

ところで、渓流釣りなんかやる人には通じる感覚なのではないかと思うけど、川辺に立って釣り糸を流し、川面を見ているとボーっとして意識が飛んでるときがある。

そういう時って、ふと我に帰ると足元で魚が腹を見せて背中をこすっていたり、驚くほど自分が自然に溶け込めていたりする。

でも、そういう時間があぶないちゃあぶないのかな、と思う。

火に執着するというのは一番わかりづらいのだそうだ。

たいてい隠れて煙草吸ってみるとか、そういうのとセットになってるから。

本人自身も、自分が火を見たいのか煙草を吸ってみたいのか自覚を持ちにくい。

自分が火をすきなのだと気づくのは、たいてい一人のときで、無意味な火遊びをするものだという。

おれは完全にこのタイプで、小学生のころやたらにライターが欲しかった時期がある。

ターボライターとか、オイルマッチとか小遣いためてはいろいろ買っていた。

ライターが好きだと思ってたんだけど、火に魅せられてたんだな、と振り返って思う。

これも現実的な話なんだけど、そういう子は、家燃やしちゃったりすると。

でも、そいつ自身が火の元なので、案外身の危険にさらされたりはしないのだそうだ。

一番先に逃げられるから。

やっかいなのはうそつきになること。

自分が原因の火事を起こし逃げる時間があるものだから、言い訳を考えたりする。

おれは幸い火事を起こしたことはないけれど。

石に執着する子。

おれはまったくその気がないからわからないんだが、外へ遊びにでて石拾って帰ってくる子。

俺の友達にもいたが、何が面白いのかよくわからなかった。

これが一番オカルトな感じがするんだけど、祖母の言い方を借りれば、人や縁に関わる不幸を招くんだそうだ。

しかも、それがいつどういった不幸を招くのかまったくわからないから、手に負えないと。

適当なことを言って注意すれば、拾ってこなくなるだろうが、問題なのは、石の中には、一発大当たりなものがあることらしい。

つまり、その石に興味持っちゃった時点で作用してしまうものがあるということ。

そういう子は何か起きる前にお払いだとか、見てもらうとかしてもらえと。

特に体験も物語もないけど、なんとなく、身に覚えのある話だったので書いてみました。

けっこう、当てはまる人、多いんじゃないかな。

(了)

 

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