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狐のお面

更新日:

小学生のときのことです。

711 本当にあった怖い名無し New! 2011/08/16(火) 01:48:06.18 ID:ESbFwH830

うちの蔵で遊んでいると、雑多な物入れ箱の中からキツネのお面が出てきた。

俺はそれを使って一発芸をやろうと思ったのだが、友達のカツオに先を越された。

だが、お面を被ったカツオの様子がおかしい。

なにかむごむごいいながら、両手をつきだしてフラフラしている。

最初こそ、ネタかと思い笑っていたのだが、こちらの声かけに反応しないカツオに本能的に怖くなり、お面を無理やり外した。

カツオの目はうつろで、気を失っているようで、俺はすぐに母に助けを求めた。

母は元麻酔の医者で、何をしたのかはわからないが、てきぱきと処置をして、すぐにカツオは意識を取り戻した。

カツオの話によると、お面を見た瞬間、どうしても被りたい衝動にかられたという。

お面を被ると同時にパッと明るい光が見え、すぐに森のような景色が見えた。

そこでは兵隊がたくさんおり、かしこまった態度でカツオによくわからないことを話しかけてきたという。

何やらだれか偉い人に対するような言葉づかいだったとか。

兵隊たちは一人一人それぞれ何か言うと、全員で気合いを入れるような大声をあげ、走っていってしまった。

残った兵隊もカツオに対しなにか問いかけてきたが、よくわからなかったという。

そんなことを見ているうちに、突然腹に熱感を感じ、すぐさま痛みが襲ってきた。

兵隊と女性が二人ではげましの言葉をかけながら、手当てをしてくれている途中で目が覚めたという。

腹の痛みや熱感、じめじめとした空気をしっかりと覚えているとのこと。

お面の詳細はわからない。報告を受けた親父が、気味悪がってその日のうちにどこかに捨ててきてしまった。

カツオにその後異常はなく、互いに元気に過ごしている。

飲んでいると未だにその話題は出るが、カツオと日本の戦争映画を観ているとき、あのときの連中はもっともっと汚かったぞ、と苦言を呈してたのをよく覚えている。

(了)

 

怖い本(6) [ 平山夢明 ]

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