短編 ほんとにあった怖い話

近所に住むカメラマンのおじさん【ゆっくり朗読】

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これは私が小学生の頃の話です。

100 :本当にあった怖い名無し:2022/05/17(火) 18:08:37.59 ID:5TumeASV0.net

私の家は母子家庭で母は遅くまで仕事をしており、引っ越したばかりで友達もいなかったので学校から帰った後はひとりで絵を描いたり本を読んで過ごしていました。

ある日の帰り道、近所に住むおじさんから声をかけられました。
話を聞くと、おじさんはプロのカメラマンで良ければ一枚撮らせてもらえないかという事でした。

少し怪しくも思いましたが、普段から会えば挨拶をするくらいの付き合いはありましたし、プロに撮ってもらえるという好奇心から了承しました。
撮影は30秒もかからず終わり、撮った写真は後日焼き回してくれると言われ嬉しかったのを覚えています。

それから一週間ほど経った日。

いつものように学校から家に帰る途中で、例のおじさんの家の前を通りかかりました。
おじさんの家は生垣に囲まれていて大人の目線からでは中は見えませんが、子供が屈むと石段と生垣の間から庭を覗くことができました。

私は写真を貰う約束をした日から、もし見かけたら声をかけようと帰り道に庭を覗いてみるのが習慣になっていたので、その日もお辞儀するような格好で覗いてみると、おじさんがいました。

何か作業をしていたのかハンカチで顔を拭いています。
こちらに背を向けていたので何をしているのかは分かりませんでしたが、声をかけようと玄関の横から庭に入りました。

はしゃいでいたのか、こっそり近づいて驚かそうとしたんです。おじさんはまだハンカチで顔を拭っています。
あと数メートルのところまで近づいて、ようやく様子がおかしいことに気がつきました。
おじさんの手にあったのはハンカチではなく写真でした。
そして、汗を拭いていたのではなく写真を舐め回していたんです。
何が起きているのか当時の私には理解できませんでしたが、目の前にいる人がまともではないことは分かりました。

幸い、相手はまだこちらに気がついていません。
芝生で足音がしなかった事もあったと思いますが、それだけ夢中になっていたんだと思います。
私は音を立てないようにゆっくりと後ずさりで庭から出ようとしましたが、途中で我慢が出来ず走り出してしまいました。

そのまま全速力で家に帰り、母が帰ってくるまで電気もつけずベッドの中で息を殺していました。
母が帰ってきた時は本当に安心しました。
起きたことを母に伝えるとすぐに警察官が家に来ました。

警察官とはほとんど母が話していたので内容はよく覚えていませんが、パトカーに乗っておじさんの家に行ったことは覚えています。
私はその後すぐに引っ越してしまったのでそれからどうなったのかは分かりません。

後日談

実はこの話は我が家では長年タブーのようになっていました。
母としては早く忘れてもらいたいと思ったのでしょう。私も触れませんでしたし、母から話す事もありませんでした。

しかし記憶を呼び起こすとおかしな点があることに気がつきます。
常識的に考えて事件のあった直後に警察官が小学生を現場に連れていくでしょうか?
また、事件があったとはいえ、部屋と仕事が決まりこれからという時期にまたすぐ引っ越しをしたのも気になりました。

この話を書くにあたってその事がどうしても気になり、母に尋ねると意外にもすんなり答えてもらえました。
結論から言うと、私がおじさんの家だと思っていたのは空き家でした。
警察官が家を見に行くと中はもぬけの殻。記憶違いの可能性を考えた警察官が確認のために私も現場に連れて行ったということでした。

その翌日、警察から裏口の鍵が壊されており、誰かが生活していた痕跡もあったと聞かされたそうです。
少なくとも私が引っ越してきてから3ヶ月以上はその家に住んでいたはずですが、近所の人は誰も不審に思わなかったそうです。
すぐに引っ越しをした理由は単純で、まだおじさんが捕まっていないからです。

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