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短編 洒落にならない怖い話

山道で出会った奇妙な集団

更新日:

去年の夏、某温泉地での話です。私が所属する研究室の先輩と二人で、学会参加をかねた二泊三日の温泉旅行に行きました。

417 :本当にあった怖い名無し :2011/06/21(火) 00:05:26.64 ID:YDkjWFfb0

初日は学会を適当に切り上げ温泉を堪能しました。

二日目

朝からブラブラ気の向くまま車を走らせ、途中寄った観光地として有名な滝で先輩が写真を撮ったところ、変なものが写りこんでいました。

画面中央、大きく写した滝のあちこちに顔のようなものが……

というか顔でした。

お互いこんなものを撮ったことは初めてで、非常に不快で、すぐにデータを消去しました。

そんなことはすぐ忘れようと、楽しく旅行を続けました。

途中知り合った三人組の大学生の男の子とご飯を食べ、九時くらいに宿に戻るため車で出発しました。

先輩は運転のため、お酒は飲みませんでしたが、私はちょっと酔ってしまい、助手席で寝てしまいました。

宿に着き、先輩に起こされるまでの二時間ほど熟睡してしまったようでした。

しかし、私を起こした先輩は顔面蒼白でわんわん泣きはじめました。

私が寝てしまったあと、先輩は一人で車を運転していました。

ナビによると宿までもう少し、というところで赤信号につかまったのをきっかけにタバコを吸って休憩しました。

半分山道のような道路で、他に走る車もなく、信号手前の道のど真ん中で停車し、タバコを吸っていたそうです。

すると、サイドミラーに後方から歩いてくる妙な集団が写りました。

近づいてきてはっきりと見えました。

十数人ほどの銃や重そうな荷物を抱えた軍人でした。

どう考えても普通じゃない、逃げなきゃと本能的に察した先輩は、急いで発車しようとするも、突然エンジンかかからなくなってしまいました。

集団はどんどん近づいてくるが、焦る先輩をよそに、エンジンはまったくかかってくれない。

集団はやがて車に接近し、ぐるりとまわりを取り囲むと、中を覗きこんできました。

真っ暗やみのなか、ヘッドライトに照らされ、彼らの顔立ちがはっきりと見えました。

日本人。なんとなく今風の感じではない。

みんな泥にまみれ、血糊がついているものや、ケガ人もいる。

先輩はもう気が気ではなく、目をつぶり、念仏をとなえました。

しかし、念仏はナミアムダブツまでしかわからず、これじゃだめだ、とミラーにかけたお守り(安全運転のものですが)を握りしめ、助けてください、助けてください、と祈りました。

ふと、誰かがなにか話しかけてきたたのが聞こえました。

なんといっているのかわからず、思わず目を開けると、運転席を覗きこむ一人の男がもう一度言いました。今度ははっきり聞こえました。

「おい女、なにをしてるんだ。ふざけるなよ」

まるで耳元で囁かれたかのような感覚を感じました。

先輩は叫びだしたい衝動をこらえ、もう一度エンジンをかけると、今度はしっかり起動しました。

跳ねても轢いてもかまわない、という勢いで急発進し、猛スピードで立ち去りました。

不思議なことに、フロントガラスの前にいた者たちに衝突した感触はなかったとか。

その後、ほうほうのていで宿までたどり着き、ようやく一息つき、私を起こしたそうです。

私は泣きわめく先輩からその話を聞き、現実味が沸かなかったものの、先輩の様子から、これはただ事じゃないのかもしれないと感じました。

車にはなんの異常もなく、一体なんだったのかは不明です。

彼らは誰だったのか、写真と関係があるのか、なぜ彼らが怒ったのかまったく想像もつきません。

しかし、先輩は、

「あなたを起こさないように必死でがまんした。泣いて、叫んで助けを呼びたかった。でも、あんなものを見たらきっと正気じゃいられない。先輩として、あなたを巻き込むのだけはダメだと思った」

と帰りの車内で話してくれた。

結局謎だらけだし、私はなにも見てないし、妙な話ですが書き込みさせていただきました。

先輩とは今でも仲良くさせてもらってます。

(了)

 

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