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短編 山にまつわる怖い話

途中で聞こえた声

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あれは高校時代の時の話です。

山間部に住んでいた私は、高校になってから友達になった子の家に遊びに行きました。

その子の家へは、スクーターにまたがり片道約二十分かかります。

途中でいくつかのトンネルを抜けて、橋を通ります。

山間部の田舎町ですから、車の数も数えるだけ、信号なんてもちろんありません。

昼間は何回か走っている慣れた道。あっという間に友達の家に着くだろう、そんな風に思っていました。

目的の友達の家まであと少し。最後のトンネルを抜ければすぐそこです。

その最後のトンネルをくぐる前に事が起きました。

私の耳に何かが聞こえるのです。

いえ、聞こえるのではなく頭の中に直接呼びかけるような感じで響いてきました。

「たすけてー」

「きゃーー」

「たすけて!たすけてー!」

ですがその時は、気のせいだろうと思って友達の家にそのまま行きました。

友だちとは彼女がどうのこうのとか、誰がかわいいとか、そんな下らない話をしました。

そして帰り際に、ふとさっきの声の事が気になり、地元である友達なら何か知っているだろうと思って聞いてみました。

すると、友達が言いました。

「お前は知らないだろうけど、今ある道は新しい道なんだ。旧道は狭くて、一本大きな松が生えていたんだ。そこの松の木に事故でぶつかって何人か死んでるよ」

私はビックリし、その声が聞こえた詳しい場所を友達に伝えると

「ああ、あのトンネルの横に松の木が生えてたろ?その松にぶつかってんだよ」

寒気がした私は、もう暗くなった夜道を一人で帰ることができず、友達の家に泊まらせてもらいました。

(了)

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