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短編 ほんのり怖い話

変わり果てた母

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 私の家族は、自由奔放な父と、明るく誰からも好かれる母。どこにでもいてる三人家族でした。あそこに住むまでは……

今から十二年前(1993年/平成5年)に引っ越した、三階建ての赤黒いマンション。

その辺りは晴れてても、淋しい雰囲気でした。

部屋は3LDKの一階。私の部屋は和室。窓は大きいのにとても暗かった。

初めて見た時の事は覚えてないけど、真っ赤な着物を着た女が毎晩、布団の周りをウロウロしてました。

毎日電気をつけて全身に布団かぶって寝てたんですけど、ちょっと隙間あけてみると女も覗いてる。

大体そこで記憶はとんで、起きたら汗びっしょり。風邪ひきやすくなったのもその頃からです。

転校してすぐ友達も出来、私の母親がとても明るく優しかったので、いつも家に友達が遊びにきてたんですが、誰かが来るとラジカセがついたり声が聞こえたり、皆でちょっとした肝試しみたいなことをしてました。

色々ありすぎたので省きますが、気になったのは、みんな家に来ると絶対寝るんです。

誰かから聞いたんですが、そうゆう空間にいると眠くなるらしいです。詳しくは知らないんですけど。

家族に異変があったのは、私が中学に入ってすぐでした。

クラブが終わって家に帰ると、部屋が真っ暗なんです。

いつもは母が晩ご飯の用意をして、『おかえりー』って言ってくれてたのに、その日は誰もいない。晩ご飯もできてない。

とりあえず電気をつけようとしたけど、つかない。

電球買いにいったんかなと、自分の部屋入ると母親いるんですよ。

ベットあるのに、床にうつ伏せなって動かない。

「お母さん?」って声をかけると普通に起きてる。

「なあに?」

目は何か虚ろでいつもと全然違う。

「何て、何してるんよ?」

「……」

「ってかご飯は?」って聞いたときでした。

「うるさあぁぁぁぁぁいッ!」

母は急に立ち上がって私の髪の毛を掴み、びびって倒れた私のお腹を何度も蹴りまくった。

何が起こったのかわからなかった。

首しめられ、「おまえが悪いんや」やらなんか叫んでたけど、その時の私は放心状態だったと思う。

それからは地獄でした。

母は毎日、仏壇とか窓に向かって「入ってくんな。殺すぞ」って一人で喋ってた。

きついのが、夜一人で外に出て、線香を道路にずっと並べていくんです。

泣いて止めても、「姫は私がまもります」とか、「おまえで最後。だから大丈夫」とか、意味不明でした。

今まで元気だった母が急に別人のようになり、悲しくて恥ずかしかった。

高校に入ってすぐ引っ越し、母は精神病院、父は刑務所へ。

後から聞いたんですが、あの辺りは霊道が通ってて、マンションの裏には小さい祠があるらしいです。

あと、うちの父の家系が呪われてるという話も聞きました。

私で最後って事らしいんですが、もしかしたら母が守ってくれたのかもしれないです。

577 :本当にあった怖い名無し :2005/10/21(金) 23:07:43 ID:F+fRrd+L0

(了)

 

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