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短編 ほんのり怖い話

陰の同居人

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以前住んでたアパートでの体験。

2008/05/31(土) 18:19:49 ID:Vd4OBVa30

三十歳の上限で社宅を出て行くことになり、東大阪に2DKの部屋を借りた。

住み始めて一ヶ月後、飲み会で終電落とした先輩を泊めることになった。

寝入ってしばらくして、

「うわっ」と顔色を変えている先輩に、

「どうしたんです?」って聞くと、

「……もう、いいよ。俺、タクシーで帰る」って……

何にも具体的なこと言わずにさっさと帰ってしまった。

翌日、無理に聞いてみると、足つかまれて、体に沿って上ってきそうだったって。

俺には霊感ないので、危害が無ければまぁいいか……とほっておいてた。

後日、風呂の掃除をしていると、排水口から女性用のネックレスが出てきた。

ただの忘れモノとは思ったが、気になったので、毎日水を供えて供養代わりにしてみた。

その持ち主が、先輩を掴んだ人と関係があったのかどうかは今も分からない。

ただ、そのあと少し気になることがあった。

しばらくして間違い電話が掛かってきた。

『溝田さんですか?』

「ごめんなさい。違います」

午後11:00ぐらいで、相手は初老の女性だったように思う。

それが一、二週間の間隔で、ほぼ同じ時間に掛かってくる。

ある日相手が、『お宅、番号06-****-**** ですよね?』と。

「そうですが、溝田さんではありません」

『……そうでしたか。いつもごめんなさいね』

番号まで言われてさすがにゾッとしたが、溝田さんが番号変えたのが伝わってないんだろと、勝手に切り捨ててた。

入居一年後、転勤で引っ越すことになった。

持ち主不明のネックレスも、寺に託して供養をお願いして、転居の準備も整ってほっとしていたら、例の電話が掛かってきた。

『溝田さんですか?』

「残念です。違います」

俺はここで、ずっと気になっていたことを相手に聞いてみた。

「私もう引っ越すんですが、もしかして、お昼の時間は溝田さんとお話出来ていたんですか?」

『……ええ。でもお気になさらないで下さい。ずっと……ごめんなさいね』

結局、もう一人の人は、ずっとここに居たんだなぁ……と。

(了)

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