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狗小屋の怪

更新日:

むかし、うちの家にクロという犬がいた。

16 :川瀬◆8DcQWhttmU :2015/02/14(土)17:42:29 ID:ZYz

俺の小さいころに死んだので、俺はあんまり思い出がない。

しかし両親にとっては、とても愛着があって家族同然のペットだったようだ。

クロが死んだ後、両親は新しいペットを飼おうとしなかったので、クロの思い出が残る犬小屋は、空き家のまま庭にぽつんと残された。

俺の十歳年下の妹は、小さい頃からこの犬小屋に近づくのをとにかく嫌がった。

何故だかわからないが酷く怖がっていた。

一度、妹のゴムまりが犬小屋の後ろに行った時、妹が泣きながら怖いので取ってきてと頼むので、なんで犬小屋が怖いのか訊いたら、「中に怖いやつがいる」という。

もちろん犬小屋は空き家なのだが、妹は絶対にいる、と怖がっている。

ゴムまりを取ってやった後で、俺や父が中を覗いてみたが何もいなかった。

しかし母によれば近所の人から、お宅のペットが夜に変な声で吠えてうるさかった、と何回か苦情が来た事があると言うのだ。

うちにはクロが死んで以来ペットはいないのに……

母は、何かいるのかねえと、不気味なことを言う。

実は俺も夜中に犬小屋のあたりから大きな叫び声のような声(犬のなき声ではない)を聞いたことがあったため、本心では心細かった。

そして中学三年のある晩、大雨の夜だったが、勉強を終えて寝ようとすると、二階の窓の所で父が俺を無言で手招きしているのに気付いた。

この窓からはあの犬小屋が見えるのだが、父の様子から何か尋常でないことが察せられた。

俺は窓のところによって、父に言われるまま下を見下ろした。

そこにはあり得ない光景が広がっていた。

雨の降りしきる中、犬小屋の入り口から白い人影が入ったり出たりを繰り返している。

ひょろりとした格好で雨の中をふらふらと歩き、あたりをうろついた後また犬小屋に入っていく。

二体以上いた。

人間とは思えない。

父も「声を出すな」と小声で言った。

次の日、不安に思いながら学校から帰ると、犬小屋はきれいさっぱり撤去され、その跡はコンクリでガッチリ固められていた。

父が午前中に業者をよんで一気にやってしまったらしい。

いまでもあの夜見たものが何であったかは謎である。

(了)

[出典:http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1423900287/]

 


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