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短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間 オリジナル作品

義理の母

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僕は、二年間付き合った彼女と三年前に結婚した。

幸い子宝にも恵まれ、とても幸せな日々を過ごしている。

彼女は母親ゆずりの美人で、僕の自慢の妻だ。

義理のお母さんは年齢よりかなり若く見え、今でいう《美魔女》と言えるかも知れない。

二人が並ぶと姉妹と言っても通るんじゃないかな。

義理のお母さんは、彼女を出産したあと、不幸にも病気で夫を亡くしている。

生命保険の営業をしながら、女手一つで彼女を育ててきた立派な人だ。

僕の妻は、そんなお義母さんを尊敬している。

元々、左利きで血液型もAB型という、似た者親子である。

彼女は、「お母さんみたいになりたい」と、いろいろと真似してきたそうだ。

お義母さんみたいに髪の毛を伸ばしたり、洋服も青を好んで着ている。

体型もあまり変わらないので、二人は洋服を共有しているようだ。

キレイ好きなところも良く似ている。

リビング、キッチン、トイレ、バスルーム、どこもみんなピカピカに掃除している。

「お母さんがそうしてたから」

それが彼女の口癖だ。

僕はどちらかと言うとズボラな性格で、彼女とは正反対だ。

靴下を脱いでは脱ぎっぱなし。

それをすぐさま片付けるのが彼女である。

食器棚もきれいに整理整頓されている。

チリ一つ落ちていない。

うちの実家とは似ても似つかない。

やはり、親のしつけの違いなんだなと思い知らされてしまう。

二歳になる娘も、どうやらその血筋を受け継いでいるようだ。

妻の言う事を良く聞き、遊び終わったものはきちんとおもちゃ箱に片付けている。

将来は、きっと素敵な女性になるに違いないと思う親バカな僕であった。

僕は、そんな妻の頼みは極力聞くようにしている。

朝のゴミ出しも僕の役目。

妻はお義母さんと同じ生命保険会社に勤め始めたので、娘の保育園への送りは僕がやっている。

そして、彼女のお客さん第一号に僕はなった。

一家の大黒柱として、もしものときの備えは当然必要なことだ。

僕は、愛する家族のために頑張って働こうと思った。

お義母さんは早くにご主人を亡くして、一人で子どもを育てるのは大変だったと思う。

僕は、妻と娘のためにも長生きしなければ。

五歳になった娘は、やはり血筋なのか、妻と似てきたようだ。

なんでも妻のマネをしようとする。

そして口癖は「お母さんがそうしてたから」

ある日、娘のママゴトを見ていたときだった。

おもちゃのキッチン用品を取り出して、料理をしているようだった。

「誰のご飯作ってるの?」と聞くと

「パパの」と答えた。

なんかとても嬉しくなった。

何を作ってくれるのか楽しみだ。

鍋の中に、何かを入れる仕草をしていた。

「何を入れてるの?」と聞くと、

彼女は「クスリ」と答えた。

「料理にクスリを入れるの?」と聞くと、娘はこう答えた。

「お母さんがそうしてたから」

そうか、そうだったのか……

なんか最近、体の調子が悪いと思ってたら。

僕も、お義父さんのようになるのかな……

お義父さんも、僕と同じでズボラだったのかも知れない。

だから、きれいに掃除されてしまったのかな?

妻がやることは、お義母さんがやってきたことなのだから……

(了)

 

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