ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖い話ネット【厳選まとめ】

中編 ほんとにあった怖い話 心霊

フジモトさん

投稿日:

Sponsord Link

私たちが好奇心にひかれ「コックリさん」をやっていたのは、今から十年以上も前の中学生のころだった。

「コックリさん、コックリさん、いらっしゃいましたら、どうぞこの十円玉に降りてきてください……」

当時、爆発的にコックリさんが流行していたため、私たちも流行に遅れまいと、毎日のように放課後、生徒会室で生徒会の連中を集めてやっていた。

初めのうちは誰が誰を好きだの、自分は何と言う人と結婚するのかだの他愛のない質問で盛り上がったりしていたが、そのうちに今降りて来ている「コックリさん」は一体何なのかという質問へとなった。

「コックリさん、あなたの正体は何ですか? 狐ですか、それとも狸ですか?」

……ニ・ン・ゲ・ン………

「名前は何と言いますか?」

……フ・ジ・モ・ト………

「フジモト」と名乗る人間らしき霊の出現に私たちは興奮した。

私たちの間では、人間の霊は得が高く動物霊と違い祟らない。その上、当時出ていたその手の本では的中率も高いと言われていた。

私たちは翌日から一層「コックリさん」へとのめり込んでいった……

ある日、いつものように放課後の生徒会室で「コックリさん」をやっていると、めったに顔を出す事のない生徒会長の宮川がやってきた。

彼は入って来るなり私たち(私、斎藤、他二人)を覗きこみ、こう言った。

「おっ! 馬鹿が揃ってインチキ占いをやってらぁ!」

宮川自身は私たちに悪気や恨みがある訳でなく、ただ単によこやりを入れつつきつめのギャグを言ったつもりだった。

しかし彼と折り合いが悪くその手のギャグを理解しない人間が一人いた。

生徒会副会長であり、この「コックリさん」の首謀者である斎藤である。

「斎藤! お前こんな事して期末試験のヤマでも張ろうってえの? そんな狸だか狐だかわからん連中を信用する前に、帰って勉強しなさいっ」

「なんだと!」

斎藤が叫ぶと同時に、文字盤の上の十円玉が激しく回り始めた。

十円玉はしだいに大きく、そして早く激しく回りながら円を描き続ける。

斎藤と他に指を十円玉にのせている二人も、指が十円玉から離れないように必死になっている。

「こ、これはいったい……宮川! やめろ。フジモトさんが怒ってる!」

「馬鹿じゃん! そんな脅しをかけたって、怖くないぜ!」

「……」

「お前ら全員、脳ミソ腐ってるんじゃない。コックリさんに名前なんかつけてよ」

十円玉の回転はさらに大きくなってゆく……

そして益々エスカレートしてゆく宮川の横槍にたまりかねついに斎藤は、顔を真っ赤にし大声で叫んだ!

「フジモトさん! どうぞ宮川を呪ってください! 殺しても構いません!」

途端、あれだけ激しく回っていた十円玉がまるで波が引くかの如くスーッと止まった。

……ハ・イ………

十円玉はそう書かれた文字の上でピタリと止まった。

そして、そのまま「フジモトさん」は二度と答えることはなかった。

気まずい雰囲気が室内に漂った。

宮川は一言も口をきかずそそくさと生徒会室を出て行き、私たちもしばらく「コックリさん」をやるのはよそうという話になった……

 

Sponsored Link

次の日の放課後、私たち四人はいつものように生徒会室には集まらず、本来自分達が所属しているクラブ活動に各々参加していた。

私も例外ではなく暫くぶりにバスケット部の練習に参加していた。

夕方の四時半をまわった頃だっただろうか。

突然校庭の中に、けたたましいサイレン音と共に救急車が入ってきた。

救急車は校庭を突っ切ると、校舎一階にある生徒会室の前に止まった。

大勢の人だかりができ、しばらくして中から誰かを運び出し、救急車は再びけたたましいサイレン音を響かせ走り去っていった。

身内の事故かもしれないと思った私は急いで生徒会室へと向かった。

騒ぎの治まった生徒会室の入り口では、一年生の書記の女の子がひとり取り乱して泣いている。

「どうしたの、誰かケガでもした?」

「生徒会長が、生徒会長が……」

ただごとでない彼女の怯えように不安を感じた私は、生徒会室のドアを開け中にとびこんだ。

「うっ」

室内の異様な匂いにたじろいだ。

椅子や机が散乱する中、吐き戻したのであろう血の混じった汚物が床一面にあった。

尋常でない事が起きたのは明白であった。

その後やっと冷静を取り戻した彼女に、その時宮川に何が起きたのか聞くことができた。

その日、彼は珍しく二日も続けて放課後生徒会室へとやってきた。

先に部屋に入って仕事をしていた彼女は軽く一言二言挨拶を交わし、明日までに仕上げなければならない予算案の作成を続けた。

「あれ? 何だよこれ」

宮川は怪訝そうな声を上げながらゴミ箱に何かをまるめて投げ込んだ。

そして、宮川は彼女に対し声を掛けようとゆっくりこちらを向いた時であった。

「ぐあぁぁぁっ……」

大きな声を発しながら彼はその場にうずくまった。

彼女が驚いて駆け寄ると、彼の足元はすでに血の混じった汚物にまみれていた。

そして突如立ち上がると、今度は奇妙な声を張り上げ、口から汚物を吐きながら生徒会室内を暴れまくった。

机や椅子を投げ散らし、狂った様に床の上をのたうち回った。

その間、彼女は部屋の隅で何もできず震え泣いていたという。

そして床に倒れた拍子に宮川はピタリと動かなくなり、それを見た彼女は職員室へと飛び出して行ったのだった。

私は後からやって来た斎藤と共に彼が捨てたと言う何かを探した。

丸めて捨ててあったそれは、昨日帰宅途中に燃やして捨てたはずであった、コックリさんで使った文字板の燃えかすだった。

(了)

《こっくりさん》に関連するお話の一覧はこちら
⇒ https://kowaiohanasi.net/tag/kokkurisan

Sponsored Link

Sponsored Link

-中編, ほんとにあった怖い話, 心霊
-

Copyright© 怖い話ネット【厳選まとめ】 , 2019 All Rights Reserved.