短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

フリーズ先生【ゆっくり朗読】1500

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小学5年の時の担任の話。

371 :本当にあった怖い名無し:2021/08/14(土) 02:18:18.75 ID:VxiB/dnv0.net

その先生は30代のおとなしめの先生だったけど、少し変わった癖があった。

時々フリーズしてしまう。
授業中でもピタッと止まってしまって動かなくなる。

大体30秒ぐらい、長い時で2分ぐらいフリーズした後、また何事もなかったように動き出す。

まぁ実害もないし生徒たちも、変な先生だな、ぐらいの印象だったと思う。

ある日、僕と友達の二人で休み時間遊んでいる最中、誤って先生の机の花瓶をおとしてしまった。

幸いというか花瓶は縁がかけただけで済んだので、接着剤でくっ付けてそのまま元の場所に戻した。

次の授業中、先生は生徒に教科書を朗読させて自分は教室の中をゆっくり移動していた。
花瓶の前に来たとき、先生がフリーズした。
僕と友達はギクッとした。

2分ほどフリーズした後、先生は「あぁ」と小さくつぶやいて再び動き出した。

その時に初めて、先生はどうやら違和感があるとフリーズして考え込んでしまうようだと気づいた。

それから僕と友達は面白がって教室に意味のないバグを仕掛けるようになった。

掲示物の画鋲を一か所だけ外したり、2個あるごみ箱のごみを片方に集中させたり等等。
意味なんかない。
先生がフリーズするかどうかが僕たちの興味の対象だった。

もともとは一週間に一回ほどのフリーズ頻度だったが、
僕らがバグを仕掛けるようになってからは、一日に2,3回はフリーズするようになっていた。

台風のあとだったから、多分7月か9月くらいだと思う。

僕と友達は大雨のあとで川に遊びに行き、宝探しをするのがお決まりだった。

その時に見慣れない人形を拾った。

無地の人型に、画用紙を切り取って作った目や鼻や着物を糊で張り付けた人形。

僕らは砂だらけのその人形を川で洗い持ち帰った。

次の日の朝、誰もいない教室に一番乗りして黒板横の先生専用のロッカーにその人形を入れておいた。

僕の小学校には東館と西館があり、
東館には1~4年生までの教室と職員室が、西館には5~6年生までの教室と特別教室が入っていた。

つまりは僕らの教室からは職員室が丸見えだった。

職員会議が終わり、職員室をでて渡り廊下を通っているところまでは確認した。

だがいつもなら2分ほどあれば先生が教室にやってくるはずなのに、10分経っても20分経っても現れなかった。

結局、30分ほどたってから教頭先生がやってきて、担任の先生は病欠だと言われた。

それから先生は一度も学校に来ないで辞めた。

人伝に聞いたところによると、いきなり校長室にやってきて、
「こんなところやってられるか」と言い残して辞めていったらしい。

(了)

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