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怖い話ネット【厳選まとめ】

「江戸川乱歩」 一覧

白昼夢【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/18   -短編, 江戸川乱歩

あれは、白昼の悪夢であったか、それとも現実の出来事であったか。   晩春の生暖い風が、オドロオドロと、火照(ほて)った頬に感ぜられる、蒸し暑い日の午後であった。   用事があって通ったのか、散歩のみち ...

一人二役【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/17   -中編, 江戸川乱歩

人間、退屈すると、何を始めるか知れたものではないね。   僕の知人にTという男があった。 型の如く無職の遊民(ゆうみん)だ。 大して金がある訳(わけ)ではないが、まず食うには困らない。 ピアノと、蓄音 ...

夢遊病者の死【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/16   -短編, 江戸川乱歩

彦太郎(ひこたろう)が勤め先の木綿問屋(もめんどんや)をしくじって、父親(てておや)の所へ帰って来てからもう三ヶ月にもなった。 旧藩主M伯爵(はくしゃく)邸の小使(こづかい)みたいなことを勤めてかつか ...

モノグラム【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/15   -中編, 江戸川乱歩

私が、私の勤めていたある工場の老守衛(といっても、まだ五十歳には間(ま)のある男なのですが、何となく老人みたいな感じがするのです) 栗原(くりはら)さんと心安くなって間もなく、恐らくこれは栗原さんの取 ...

幽霊【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/14   -短編, 江戸川乱歩

「辻堂(つじどう)の奴、とうとう死にましたよ」 腹心(ふくしん)のものが、多少手柄顔にこう報告した時、平田(ひらた)氏は少からず驚いたのである。 尤8もっと)も大分以前から、彼が病気で床についた切りだ ...

二癈人【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/13   -中編, 江戸川乱歩

二人は湯から上って、一局囲んだ後を煙草にして、渋い煎茶を啜(すす)りながら、何時(いつも)の様にボツリボツリと世間話を取交していた。 穏かな冬の日光が障子(しょうじ)一杯に拡(ひろが)って、八畳の座敷 ...

百面相役者【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/12   -中編, 江戸川乱歩

一 僕の書生時代の話しだから、随分古いことだ。 年代などもハッキリしないが、何でも、日露戦争のすぐあとだったと思う。 その頃、僕は中学校を出て、さて、上の学校へ入りたいのだけれど、当時まだ僕の地方には ...

接吻【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/11   -中編, 江戸川乱歩

一 近頃は有頂天の山名宗三(やまなそうぞう)であった。 何とも云えぬ暖かい、柔かい、薔薇色(ばらいろ)の、そして薫(かおり)のいい空気が、彼の身辺を包んでいた。 それが、お役所のボロ机に向って、コツコ ...

心理試験【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/10   -長編, 江戸川乱歩

一 蕗屋清一郎(ふきやせいいちろう)が、何故これから記す様な恐ろしい悪事を思立ったか、その動機については詳しいことは分らぬ。 又仮令(たとい)分ったとしてもこのお話には大して関係がないのだ。 彼がなか ...

双生児―ある死刑囚が教誨師にうちあけた話―【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/08   -中編, 江戸川乱歩

先生、今日こそは御話することに決心しました。 私の死刑の日も段々近づいて来ます。 早く心にあることを喋って了って、せめて死ぬ迄の数日を安らかに送り度いと思います。 どうか、御迷惑でしょうけれど、暫らく ...

恐ろしき錯誤【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/06   -中編, 江戸川乱歩

「勝ったぞ、勝ったぞ、勝ったぞ……」 北川氏の頭の中には、勝ったという意識だけが、風車の様に旋転していた。他のことは何も思わなかった。 彼は今、どこを歩いているのやら、どこへ行こうとしているのやら、ま ...

お勢登場【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/05   -中編, 江戸川乱歩

肺病やみの格太郎は、今日も又細君においてけぼりを食って、ぼんやりと留守を守っていなければならなかった。 最初の程は、如何なお人好しの彼も、激憤を感じ、それを種に離別を目論んだことさえあったのだけれど、 ...

押絵と旅する男【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/03   -中編, 江戸川乱歩

この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったならば、あの押絵と旅をしていた男こそ狂人であったに相違ない。 だが、夢が時として、どこかこの世界と喰違った別の世界を、チラリと覗かせてくれる様に、また、狂人 ...

一枚の切符【江戸川乱歩・傑作選】

2017/12/01   -中編, 江戸川乱歩

【上】 「イヤ、僕も多少は知っているさ。あれは先ず、近来の珍事だったからな。世間はあの噂で持切っている。が、多分君程、詳しくはないんだ。少し話さないか」 一人の青年紳士が、こういって、赤い血の滴る肉の ...

赤い部屋【江戸川乱歩・傑作選】

2017/11/29   -長編, 江戸川乱歩

異常な興奮を求めて集った、七人のしかつめらしい男が(私もその中の一人だった) わざわざその為にしつらえた『赤い部屋』の、緋色のビロードで張った深い肘掛椅子にもたれ込んで、今晩の話手が何事か怪異な物語を ...

火星の運河【江戸川乱歩・傑作選】

2017/11/27   -短編, 江戸川乱歩

又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦かせた。 にぶ色の暗(やみ)が私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂いも、触覚さえもが私の身体から蒸発してしまって、煉羊羹の濃(こまや)かに澱んだ色彩 ...

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