小学校低学年くらいの時、凄い霊感が強かったみたいで、道を歩くだけでも色んなものが見えてた。
2010/06/13(日) 14:47:37 fhsOFxRx0
でも小さかったから、それは自分以外の人にも当たり前に見えてるもの、見えてるけどみんな話さないんだなーって不思議に思ってたんだ。
で、家が割と田舎だから、すぐ近所に小川があったりとかして、その頃の暮らしぶりって言ったら野生児そのもの。
毎日のように小川まで遊びに行ってある人と会ってた。
まあそれが幽霊だったんだけど。
格好は武士?みたいな感じで、袴はいていて。
最初は話しかけられたことに少なからず驚いてたけど、二、三日たってからはもう気にしてなかったらしい。
私が小学校の話して、相手は頷くだけ、みたいな。
絶対に言葉は発しなかった。
ある日、親にその話をしたら凄い怖い顔で、もうその場所に行くのは止めろっ、て言われた。
なんかおかしいな、って思って友達にも話してみたんだけど、逆に私が気持ち悪がられる始末。
それでやっと「ああ、みんなには見えてないんだ」って思うのと同時に「じゃああの人誰?幽霊?」ってなって、今まで幽霊と話してたんだ、っていう実感が急に湧いて来てさ。
その人に会うどころか、小川に行くこと自体が怖くなった。
で、そのままずっと会わないまま。
その人に一日あったことを報告するのが日課になってたから、最初のうちは少し寂しかった。
一年二年と時間がたって、普通に中学行って。
婆ちゃんと夕方くらいに散歩してたら、五年ぶりくらいに小川に行こうって流れになった。
その時は幽霊の事なんて忘れてたし、軽いノリで行ったんだけど。
近付いた時にあの人が見えたんだ。
いつも話してた辺りに立って、キョロキョロ周りを見回して、何かを探してるみたいだった。
「もしかして探されてる?」って思った瞬間目が合って、前と変わらない表情で微笑まれた時、なんだか申し訳なくなってその場から走り去った。
ごめん婆ちゃん。
そりゃ一年も二年も毎日来てた人が突然来なくなったら驚くよなあ。
でもやっぱりちょっと怖かったから、今まで以上に川に行くことを避けた。
それでまた何年か経って、高校生になって大学受験して合格して、成人式に出席して、友達と家で酒飲んで馬鹿騒ぎした。
で、トイレに行こうと思って縁側通った時に変な声が聞こえたんだ。
「大きくなったなぁ、時間の流れは早いなぁ」って。
びっくりして見まわしてみるけどもちろん誰もいない。
でもなんか呼ばれたような気がして、取りあえず走った。
目的地とかは全然考えないまま、それこそ本能のままって感じで。
無我夢中で走り続けて、汗だくで、ちょっと意識もうろうとしてきたときに我に返ると、そこはあの小川。
まさか、って思っていつも話をしていた場所に行ってみると、やっぱりいた。
なんでか分かんないけど、あんなに怖かったはずなのに全然怖くなくて、むしろ懐かしさとかのほうが多かった気がする。
自分はちゃんと成長したのに、幽霊は昔のまま全く変わってなかった、ってのも少しはあるんだろう。
なんか言わなきゃ、それより先に謝った方がいいのか!?なんてことを考えていると、向こうから近寄ってきて
「待っている間、色々なことがあったのだぞ」
って言われた。なんかもう申し訳ないやら感動したやら、色んな気持ちがぐちゃぐちゃになってさ、その場にしゃがみ込んで号泣。
話は飛んで、今現在になるんだけど。実は来年結婚します。
都会に出て知り合った人で、割と長い間付き合ってました。
うちの親に挨拶しに来た時、報告の意味を兼ねて小川に寄りましたが例の幽霊はもういませんでした。
結婚相手、私の旦那となる人ですが、その幽霊に凄く似ています。
穏やかで、どことなく古風な優しい人です。
後日談
最近進展したことがありましたのでご報告したいと思います。
「旦那が例の幽霊に似てる」って書いたんですけど、最近ますます似てきた気がする。
昔は「あー、声が似てるな」程度だったんだけど、最近は妙に記憶の中の幽霊と被ることが多くなったというか。
ちょっとした表情とか仕草とかが瓜二つ。
私の家に来た時になんかアルバム見ようか、って流れになって旦那にアルバムを見せたんだけど、アルバムめくってた旦那の手が、小学生くらい時のページでぴたっと止まってさ、「本当に大きくなったなぁ」って。
同じような声で同じようなこと言うもんだから、「この人もしかして幽霊の生まれ変わりか何か?」って思ったよ。
まあ報告はこれくらいかなー。
質問的なのも来てたから、答えられるの答えるよ。
37:本当にあった怖い名無し:2010/06/14(月)17:48:52ID:eB/XB9Nv0
再会後号泣して、その後が気になるkwsk!
取りあえず私がびっくりする位酔ってたから、酒の勢いで幽霊に抱きつこうとしたんだよね、確か。
でも幽霊だから触れなくて、当然身体貫通。
それが余計に寂しくてさらに号泣。
悲惨だったよ。
マスカラ落ちて涙黒いし、幽霊のドン引きした顔が鮮明に思い出せる。
「年頃の娘がそんな泣き方するんじゃない!」って叱られたはず。
40:本当にあった怖い名無し:2010/06/22(火)01:38:19ID:e4JOauZM0
「待っている間のいろいろ」って何だったんだろうな……
だけど、さすがに「武士だから」、細かいことは言わなかったんじゃないのかなあ。
本当は小さくて純真な友達がまた来てくれるのを心から待っていて、来なくなって切なかった、なんて泣きごとは絶対言わないだろうし。
私にもよくわかんないけど、実際どうなんだろう。でも幽霊は小学生の頃の私の友達の名前をまだ覚えてた。
毎日毎日話してたから当然と言えば当然か。
自分の事は全く話さない人だったよ。
打ち解けてからは自分の仕えてた城の話とかしてくれて、子供心に「この人は凄い人なんだ!」って尊敬したのは覚えてる。
「私としゅうげんあげてね!」って言ったのも覚えてる。
どんな子供だよ……
[出典:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1273562259]
(了)
最強の都市伝説 2 RYU SELECTION / 並木伸一郎