短編 洒落にならない怖い話

あまめの呪い

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俺が体験した怖い話。

320 ; 2010/10/31(日) 17:22:08 ID:0PM4ryt+0

三重県のとある山林の奥に小さな祠があるんだが、その祠には小さな古ぼけた巾着袋のような布でできた袋が入ってるんですよ。

その祠には

『あまめが眠る。開けるな』

と書かれた、色褪せているポスターのような紙きれが貼られているんです。

あまりに不気味な雰囲気を醸し出してる祠には誰も近づくことなく、親や地元の人に訊いてもこの祠について何も知らなかったんです。

ただ……

この祠に近づくモノには祟りありという噂だけは昔からあったんです。

俺の友人望月(仮名)はオカルト好きで2chのオフ会とかmixiで募集してる百物語のオフによく参加してた奴でした。

望月は前からその祠に興味があって俺に「開けようぜ、開けようぜ」と迫ってくるんです。

望月のまるで瞳が輝いてるような興味津津という姿に俺もほどほど…うんざりしてたんです。

けどね。ある日、望月の説得に降参して俺と友人はその祠に行くとこにしたんです。

まあ、俺は望月とは違いそんなオカルト的な話は信じていませんでしたけどね。

望月の馬鹿は、夜の方が迫力あるってことで紺色に絵具で塗り切ったようないくつかの星が散らばってるような時刻にその祠に向かったんですよ。

現場についた山林はまったく人気がなく不気味なほどの静けさにさすがに、霊とか信じてない俺でも胸をかすめるような恐怖が走りました。

林が暗いほどにうっそりと茂っていて、足を踏み入れるのも不気味でしたが、そこをなんとか耐えて例の祠へたどり着きました。

友人とは見るだけの約束にしたです。

けど、望月……祠に着くなり、速攻開けようとしたんです。

小さなしめ縄が結んである祠。望月は速攻解こうとしたんです。

「おい、やめろ! 馬鹿」

と、腹の底から縛りだすような声で叫んだんですよ。

けど開けてしまい、中から汚れきった布の袋を取り出しました。

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望月は中から『山の形』をしたどす黒い小さな小さな物体を摘みあげました。

石……?

なにかの骨のような物でした。

望月はこれを見て

「なんだろ? これ? なんかの骨か? まあ、面白いから持ち帰ろうぜ」

と言った刹那。

何かが喉に何が詰まったような女性らしき唸り声が訊えたんです。

それを訊いて俺は水を浴びせられたような恐怖に襲われました。

しかし、望月はその声にも悠然としてました。

ただ……その気味の悪い物体を見て笑ってました……俺は叫んだんですけど。

俺は望月を説得して帰ることにしたんです。

その奇妙な物体を望月に戻すように説得したんですが聞き入れてくれませんでした。

帰り道、噂で訊いた話が俺の脳裏に鮮明に焼き付いてきました。

不安が胸を黒ぐろとした夜の波のように冷たく噛みました。

車の置いてある場所に着いたあと、俺は友人を自宅まで送りその後、自分の自宅へ戻りました。

あまめの呪いが解放されたんです。

あまめの呪いを静める方法が教えて欲しいです。

友人は死にました。次は俺なんです。

……誰か、助けてください。

もう、まわりくどく小説のように書くのはやめます。

友人はその物体を持ち帰ったあと、次の日。

自宅で顔を歪めて死んでいました。

変死ということで死体は処理されました。

俺は怖くなり、あの祠について調べてみました。

あの祠について訊いた話です。

あまめはぎとは別です。

簡単にまとめます。

戦国時代に小さな村に一人の女の子が産まれたそうです。

彼女は『あまめ』と呼ばれていました。

けど、何故か頭に角がはえてたそうです。

だから、村では鬼の子ではないか?と恐れられてたそうです。

けど、おとなしく優しい女の子だったそうです。

しかし、村人が何か噛みちぎられて無残な死体となって見つかった事件が発生したそうです。

村人はあまめが殺したと勝手に思い込み あまめを公開死刑したそうです。

最後は焼き殺したそうで……

それから……村人は次々変死していったとの話です。

その時、名のある僧侶にお祓いしてもらい あそこの祠ができたとの話です。

簡単に書きましたがあの角をもとに戻す必要があるんですが友人の家にはありませんでした。

神主さんの話ではこのままではあまめの呪いは 広がるとの話です。

俺も時間の問題ですが……

(了)

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